大分空港ホーバークラフトが2023年にも「復活」か 大分県が調査結果まとめる



大分県は3月4日、大分市と大分空港(大分県国東市)を結ぶ海上アクセスの調査結果を公表した。空気を使って水面を浮上航行するホーバークラフトの導入案を「最も有効かつ効果的」とした。早ければ2023年にも運航を開始する。

水面を浮上して航行するホーバークラフト。【画像:JFNikon/Pixabay】

調査結果の概要によると、大分空港へのアクセス改善は「鉄道等陸路では別府湾の迂回が必要」「用地取得や大規模構造物整備が必要な鉄道等の陸上交通よりも、海上アクセスの方が事業費が安く、導入期間も短い」とし、船舶による空港アクセスを検討。高速船案とホーバークラフト案のうち、所要時間の短縮効果が高く、発着地の整備コストも安いホーバークラフト案が最も有効とした。

ホーバークラフト案では、旅客定員80人程度でバリアフリーに対応したホーバークラフト3隻(常用2隻、予備1隻)を導入。大分市内と空港の最短所要時間は約25分と見込み、いまより35分ほど短縮される。

運航本数は1日29便(おおむね6~22時)と想定。大分市の西新地または西大分に発着地を整備し、500台程度が駐車できる無料駐車場を設ける。また、発着地には遮音壁を設置して音や水しぶきを抑える。

整備費用(県負担分)は75~85億円程度で、年間利用者数は約30万~40万人台を見込む。ホーバークラフトは国内製造がなく導入経費が割高なため、大分県がホーバークラフトを保有して民間事業者が運航を行う上下分離方式なら収支確保が可能と結論づけている。運航開始は2023年以降の方針だ。

ホーバークラフトは、空気を艇体の下にある水面に吹き込み続けることで浮上し、航行する船舶。構造上は道路や砂浜などを浮上して航行することも可能で、発着地が海岸から離れていても乗り付けることができる。

日本では2009年、大分市内と大分空港を結ぶホーバークラフトが運航を終了したのを最後に、旅客運航のホーバークラフト定期航路は消滅していた。しかし、大分空港の利用者が増加していることから、大分県はホーバークラフト航路の復活も含め海上アクセス導入の検討を行っていた。