シーサイドラインに「上瀬谷ライン」運行を依頼 横浜市の花博アクセス新線



AGTを採用しているシーサイドライン。上瀬谷ラインもAGTが導入される。【撮影:草町義和】

横浜シーサイドラインは9月8日、横浜市から「上瀬谷ライン(仮称)」の運行事業者として参画するよう依頼を受けたと発表した。同社は参画の可否を今後検討し、11月末までに横浜市に回答するとみられる。

横浜市が依頼した内容によると、上瀬谷ラインの開業目標時期を2027年3月とすることや、インフラ外部(車両や車両基地、駅施設など)は運行事業者が整備することを条件に、事業参画の可否を11月末日までに回答するよう求めている。

横浜シーサイドラインは「今後、弊社において外部有識者を加えた検討会議を開催し、事業の採算性や継続性について検証した上で回答します」としている。

上瀬谷ラインのルート。【画像:横浜市】

上瀬谷ラインは、相鉄本線の瀬谷駅周辺と旧上瀬谷通信施設を結ぶ全長約2.6kmの新線。横浜シーサイドラインが運行する新杉田~金沢八景間の金沢シーサイドラインと同様、ゴムタイヤで専用の通路を走るタイプの新交通システム(AGT)の導入が計画されている。

旧上瀬谷通信施設では、昨年2020年3月に策定した土地利用基本計画に基づき、テーマパークを核とした複合的な集客施設を整備することが計画されている。また、2027年3月から9月まで国際園芸博覧会(花博)の開催が予定されており、アクセス路線として上瀬谷ラインの計画が浮上。横浜市が検討や都市計画の手続きを進めてきた。

新交通システムは多くの場合、地方公共団体がインフラ部(本線の軌道)を建設し、インフラ外部の建設と列車の運行は第三セクターや公営交通の運行事業者が行う。また、軌道法に基づく軌道事業特許の手続きは運行事業者が行う。

横浜市は当初、昨年度2020年度の軌道事業特許の申請を予定していたが、運行事業者が決まらず軌道事業特許の手続きが遅れていた。横浜市は「本市が所管する公営又は第三セクターで、唯一、軌道事業:新交通システム(AGT)の専門的な知見、運行、経営ノウハウを有する」として、横浜シーサイドラインに依頼したとしている。

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