大阪~関空を短絡「なにわ筋線」着工に向け地下駅やトンネルの建設工事を順次公告



第三セクターの関西高速鉄道は、大阪市の中心部を南北に縦断する鉄道新線「なにわ筋線」の本年度2020年度中の着工に向け、建設工事などの入札を順次公告している。各建設工事の公告の概要は次の通り。

梅田貨物線の地下化工事現場(2016年10月)この写真の奥(南側)に新設される北梅田駅から、なにわ筋線が分岐する。【撮影:草町義和】

●南海新難波駅部・パークス通りシールドトンネルの技術協力業務・土木工事(8月3日公告)
・入札方式:公募型プロポーザル
・工事内容:地下ラーメン駅舎構造物(長さ34.2m、幅23.7m、深さマイナス49.9m~マイナス64mの北東立坑・北西立坑・南東立坑・南西立坑)と駅部シールドトンネル(外径9.6m、長さ268.8m)、パークス通りシールドトンネル(外径7.1m、長さ1450.8m)など
・工事期間:2031年3月15日まで
・優先交渉権通知予定:10月28日

●南海新難波分岐トンネル・千日前通シールドトンネルの技術協力業務・土木工事(8月3日公告)
・入札方式:公募型プロポーザル
・工事内容:開削工事(長さ76.9m、幅21.2~30.0m、深さマイナス49~マイナス51.9mの鉄筋コンクリート造り地下ラーメン構造物)とシールドトンネル(外径7.1m、長さ319.7m)など
・工事期間:2031年3月15日まで
・優先交渉権通知予定:10月28日

●中之島駅部土木工事(9月18日公告)
・入札方式:一般競争入札
・工事内容:開削工法による長さ203mの駅部の新設
・工事期間:2028年9月29日まで
・開札予定:12月4日

●西本町駅部土木工事(9月18日公告)
・入札方式:一般競争入札
・工事内容:開削工法による長さ308.59mの駅部の新設
・工事期間:2028年3月15日まで
・開札予定:12月4日

なにわ筋線は、東海道本線貨物支線(梅田貨物線)の地下化に伴い新設される北梅田駅(2023年春開業予定、営業上はJR大阪駅と一体化)と、JR難波駅、南海電気鉄道(南海電鉄)の新今宮駅を結ぶ、全長約7.2kmの新線。おもになにわ筋の地下を通り、京都・新大阪・梅田方面と関西国際空港(関空)の短絡ルートを構成する。総事業費は約3300億円で、開業は2031年春の予定。

なにわ筋線の平面図(上)と縦断面図(中)、横断面図(下)。【画像:関西高速鉄道】

関西高速鉄道が建設して線路施設を保有し、JR西日本と南海電鉄が同社から施設を借りて列車を運転する。関係各社は昨年2019年7月、鉄道事業法に基づく事業許可を取得。今年2020年2月に関西高速鉄道が工事施行認可を受けた。都市計画は2月に決定し、8月に事業認可された。