「近江鉄道線管理機構」2022年12月に設立へ 上下分離方式への移行に向け準備進む



近江鉄道や同社鉄道路線の沿線自治体、滋賀県などで構成される「近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会」は10月26日、近江鉄道の線路施設などを保有する鉄道事業者の名称を「一般社団法人近江鉄道線管理機構」に決めた。12月に設立総会を開催し、上下分離方式への移行に向け準備を進める。

近江鉄道の列車。【撮影:草町義和】

近江鉄道線管理機構は滋賀県と沿線市町の計11団体で構成され、代表理事は東近江市の副市長が務める。安全統括管理者は第2種鉄道事業者の同職の兼任ではなく同時に選定する予定だ。事務所は彦根市古沢町の近江鉄道敷地内に設置される。

今後は12月27日に設立総会を開催。来年2023年1月上旬に法人登記を行い、4月から業務を始める。2024年度には近江鉄道の鉄道路線の経営が上下分離方式に移行。近江鉄道線管理機構が第3種鉄道事業者として線路施設などを保有し、近江鉄道は第2種鉄道事業者として同機構から線路などを借り入れて列車を運行する体制に変わる。

近江鉄道は滋賀県東部地域の5市5町を結ぶ鉄道路線を運営する私鉄。利用者の減少などで経営赤字が20年以上続いている。このため2019年11月に近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会が発足。今後の維持方策の検討が行われ、線路施設保有と列車運行の事業者を分ける上下分離方式で存続を図ることが2020年3月に決まった。

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