韓国・ソウル郊外線「20年ぶり再開」へ 利用者少なく休止、運営費は沿線負担



ソウル北郊の鉄道路線「郊外線」の運行が今年2024年末にも再開される見通しになった。1月3日、韓国放送公社(KBS)などが報じた。実際に運行が再開されれば20年ぶりになる。

ウィジョンブ駅で発車を待つ郊外線の列車(1990年)。当時は日本製の気動車が1両で走っていた。【撮影:草町義和】

KBSによるとキョンギ(京畿)道が1月3日、郊外線の計画の進行状況を明らかにした。運行再開に向けた工事は50%ほど進んでおり、年末ごろに運行を再開できる見込み。4両編成の列車が1日(6~22時)に20回運行されるという。

キョンヒャン新聞によると、コヤンヌンゴク(高陽陵谷)・ウォルルン(元陵)・イリョン(日迎)・チャンフン(長興)・ソンチュ(松湫)・ウィジョンブ(議政府)の6駅が設けられるという。

郊外線の位置(赤)。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

郊外線はソウルの北側でキョンウィ(京義)線とキョンウォン(京元)線を短絡する、韓国鉄道公社(韓国国鉄)の路線。1963年に全通した。ソウルの中心部から15~20kmほどしか離れていないところを通るが、北朝鮮に近く沿線の開発が規制されて利用者が少なかったこともあり、2004年には赤字を理由に営業を休止した。

田園が広がる郊外線の車窓(1990年)。【撮影:草町義和】

現在は開発もある程度進んでいる。沿線の自治体から郊外線の運行再開を要望する声が高まり、約500億ウォン(約55億円)かけて再整備して運行を再開することが決定。年間約50億ウォン(約5億5000万円)の運営費は沿線のコヤン(高陽)・ヤンジュ(楊州)・ウィジョンブの3市が分担して負担する。

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