京成電鉄と新京成電鉄「合併」2025年に 西武鉄道と南海電鉄を抜く



京成電鉄は10月31日、同社の完全子会社である新京成電鉄を吸収合併することを取締役会で決議した。存続会社は京成電鉄で新京成電鉄は消滅する。合併実施日(効力発生日)は2025年4月1日の予定。

京成電鉄(左)と新京成電鉄(右)の電車。【撮影:草町義和】

京成電鉄の発表によると、完全子会社との合併のため株式その他の金銭等の割当てはない。合併後の京成電鉄の名称や所在地、代表者の役職・氏名、事業内容、資本金、決算期は変更しない。連結業績への影響は軽微という。

新京成電鉄は終戦直後の1946年、旧陸軍鉄道連隊演習線の敷地を活用した鉄道を運営する会社として設立。1947年から1955年にかけ新京成線・京成津田沼~松戸を開業した。設立当初から京成グループの一員だが、1961年に株式を上場。1970年代からは自社オリジナルの車両を本格的に導入するなど、一時は京成電鉄からの独立色を強くしていた。新京成電鉄における京成電鉄の持株比率は昨年2022年3月の時点で44.64%だった。

京成電鉄は千葉県北西部の事業基盤の強化や経営資源の相互活用による競争力強化、事業規模の拡大、スケールメリットを活かした効率的な協働体制を図るとして、2022年9月に新京成電鉄を完全子会社化していた。今回、「さらなる経営の効率化・意思決定の迅速化を図ることで、経営資源を最大限活用し、これらのシナジー効果をより早期かつ確実に発揮するため」として、吸収合併するとしている。

京成電鉄(青)と新京成電鉄(ピンク)の営業路線。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

民鉄協が2023年10月31日時点で公表しているデータによると、営業キロ(線路施設を他社から借り入れている線区を含む)は京成電鉄が152.3kmなのに対し、新京成電鉄は26.5km。合併後の京成電鉄は178.8kmになるとみられ、大手私鉄16社のなかでは南海電鉄(153.5km)と西武鉄道(176.6km)を抜いて営業キロ長5位になる。

※加筆しました。(2023年11月1日22時01分)

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