京都丹後鉄道「丹後くろまつ号」2年ぶりJR小浜線へ 新幹線開業に向け機運醸成図る



京都丹後鉄道(丹鉄)の食事付き観光列車「丹後くろまつ号」が2年ぶりにJR小浜線(京都府・福井県)への乗り入れ運行を行う。運行日は10月1・2・8・9日の計4日。

京都丹後鉄道の「丹後くろまつ号」。【画像:ヒデHIDE/写真AC】

福井県や小浜線沿線の市町、京都丹後鉄道を運営するウィラー・トレインズ、小浜線を運営するJR西日本などが企画。地元の食材を使った食事が付く観光列車として6コースが設定された。各コースの運行日と区間、時刻、料金は次の通り。

●10月1・8日
天橋立10時00分→若狭高浜11時54分(1万2600円)
若狭高浜12時36分→敦賀14時00分(9900円)
敦賀15時10分→小浜16時27分(1万150円、宿泊料込み)

●10月2・9日
小浜9時00分→敦賀10時02分(7700円)
敦賀10時50分→天橋立13時46分(1万7300円)
天橋立16時26分→小浜18時31分(1万1300円)

今回の企画による「丹後くろまつ号」の運行範囲。【画像:福井県】

定員は各コース20人。予約サイト「WILLER TRAVEL」で受け付けている。

「丹後くろまつ号」は丹鉄の観光列車。丹鉄の気動車KTR700形のうち「丹後くろまつ号」用として改造されたKTR707を使用し、車内では沿線の食材などを使った料理が提供される。

通常は丹鉄線内で運行されているが、2019年に小浜線の沿線で実施された和食イベントにあわせ、初めて同線の西舞鶴~敦賀で運行された。翌2020年は丹鉄線・小浜線を直通し、天橋立~小浜や小浜~敦賀などで運行。昨年2021年はコロナ禍の影響で運行が中止された。

2年ぶりの運行となる今回は過去最長となる天橋立~敦賀120.3kmのコースも設定された。福井県嶺南振興局の嶺南プロジェクト推進室によると、車内ではシェフが実際に「丹後くろまつ号」に乗車して料理の概要を説明。料理とペアリングさせたワインを用意するほか、若狭の食材を利用した料理に合わせた日本酒も用意するという。

今回の運行範囲のうち敦賀駅は2024年春に延伸開業する北陸新幹線が乗り入れる予定。福井県は「丹後くろまつ号」の運行で「新幹線敦賀開業に向けた嶺南地域の機運醸成が図られるとともに、誘客拡大につながることを期待しています」としている。

《関連記事》
京都丹後鉄道「QR定期券」「QR回数券」サービス開始 乗り越しにも対応
JR「秋の乗り放題パス」2022年版は鉄道150年記念、デジスタ収集キャンペーンも