新京成電鉄、京成電鉄の「完全子会社」に 9月に株式交換



京成電鉄と新京成電鉄は4月28日、株式交換により京成電鉄が新京成電鉄を完全子会社化すると発表した。新京成電鉄株1株に対し京成電鉄株0.82株を割り当てて交付する。9月1日に実施の予定。

京成電鉄の3100形(左)と新京成電鉄の80000形(右)。【撮影:草町義和】

両社の取締役会が4月28日に決議し、株式交換契約を締結した。今後、新京成電鉄は6月28日開催予定の定時株主総会の特別決議で株式交換契約の承認を受ける。東京証券取引所スタンダード市場の上場廃止は8月30日の予定。

両社の発表によると、新京成電鉄の完全子会社化で千葉県北西部の事業基盤の強化や経営資源の相互活用による競争力強化、事業規模の拡大、スケールメリットを活かした効率的な協働体制が実現できるとしている。

新京成電鉄は1946年に設立。旧陸軍の鉄道連隊演習線の線路敷地を譲り受けて再整備し、翌1947年から1955年にかけ京成津田沼~松戸間を結ぶ新京成線を開業した。京成グループの一員だが1961年に上場しており、経営上は独立。現在の京成電鉄の持株比率は44.64%で、新京成電鉄を持分法適用関連会社(非連結子会社)としている。

新京成線では開業当初、京成電鉄の旧型車両を譲り受けて列車を運行していたが、1971年以降は自社オリジナルの車両を本格的に導入。1986年には当時としては最新の技術だったVVVFインバーター制御方式の電車を京成電鉄に先駆けて導入するなど、京成電鉄とは一線を画した設備投資が行われた。

しかし2005年、京成電鉄の3000形をベースにしたN800形を導入。2019年にデビューした京成3100形と新京成80000形は、京成グループの標準車両として京成電鉄と共同で設計、開発しており、関係を深めていた。

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