首都圏発着の在来線特急「自由席が消滅」へ JR東日本、房総特急が全車指定席に



JR東日本は10月27日、東京と房総方面を結ぶ特急列車について、来年2024年春から全車指定席で運行すると発表した。同時に特急料金を変更し、チケットレスサービスもあわせて導入する。同社が運行する首都圏発着の在来線特急から自由席が消滅する。

全車指定席化される東京~房総方面の特急列車。【画像:JR東日本】

全車指定席化される特急列車は、東京~佐倉・成東・銚子を結ぶ「しおさい」と東京~茂原・上総一ノ宮・勝浦・安房鴨川を結ぶ「わかしお」、東京~木更津・君津を結ぶ「さざなみ」。利用者が多い日を中心に運行している「新宿わかしお」「新宿さざなみ」も全車指定席化の対象になる。

全車指定席化後の特急料金は自由席料金と指定席料金の区別がなくなるほか、通常期や閑散期といったシーズン別の料金区分もなくなる。その一方で「事前購入(駅の指定席券売機やみどりの窓口)」「事前購入(チケットレスサービス)」「車内での購入」で発売額が変わる。

事前に駅で切符を購入する場合の料金額は、50kmまで760円、100kmまで1020円、150kmまで1580円。スマートフォンで特急券を購入できる「えきねっとチケットレスサービス」を利用すると100円引きで、50kmまで660円、100kmまで920円、150kmまで1480円になる。車内での発売額は駅での事前購入額に260円を追加し、50kmまで1020円、100kmまで1280円、150kmまで1840円。

現行の特急料金と全車指定席化後の特急料金(カッコ内は2024年6月30日までのキャンペーン発売額)。【画像:JR東日本】

基本的には現在の自由席料金(520~1360円)より高く、現在の指定席料金(通常期で1050~1890円)より安い設定。ただしチケットレスサービスの利用による事前購入の場合、東京~成東・茂原・君津など100kmまでの区間は現在の自由席料金より30円安くなる。また、2024年6月30日までチケットレスサービス利用時の事前料金がさらに100円引きになるほか、40%割引のキャンペーンも実施される。

グリーン車の利用時は事前購入の料金から530円引きした額にグリーン料金を加算する。また、乗車日・区間のみ指定して列車・座席を指定しない「座席未指定券」を普通車指定席に限り駅や車内で発売。発売額は指定席特急券と同額で空いている席に座れるが、満席の場合はデッキや通路などの利用になる。

JR東日本は2014年、群馬方面の一部の特急に全車指定席の列車を設定。翌2015年には常磐線方面の特急列車を全車指定席化した。その後も中央線特急や伊豆方面などで全車指定席化とチケットレスサービスの導入を順次進め、首都圏発着の在来線特急の着席サービスを強化していた。

※加筆、画像追加しました。(2023年10月27日15時36分)

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