くま川鉄道に「鉄道災害調査隊」派遣 2020年の豪雨で一部運休中



鉄道・運輸機構は10月5日、国土交通省からの要請に基づき、くま川鉄道(熊本県)に「鉄道災害調査隊」を派遣すると発表した。

くま川鉄道の車両。【画像:Kuwa。/写真AC】

期間は10月10~11日の2日間で5人(進藤良則隊長)を派遣。くま川鉄道が運営する湯前線で運休中の人吉温泉~肥後西村5.8kmの被災状況を調査し、被災した場所の復旧方法などについて技術的な助言を行う。

湯前線はJR肥薩線の人吉駅に隣接する人吉温泉駅と湯前駅を結ぶ24.8kmのローカル線。1924年に国鉄線として開業し、JR九州への暫定承継を経て1989年から第三セクターのくま川鉄道が経営を引き継いでいる。

2020年7月豪雨の影響で橋梁や路盤が流出するなど甚大な被害が発生。2021年11月に肥後西村~湯前の運行が再開した。残る人吉温泉~西村は2025年度中の再開を予定しており、全線再開にあわせて上下分離方式の経営に移行する。

鉄道災害調査隊は本年度2023年度に創設。近年の激甚化・頻発化する自然災害で多くの鉄道が被災している一方、中小の鉄道事業者は人員不足で復旧に向けた体制を確保するのが困難な状況になっていることから、復旧の早期化を目指して鉄道・運輸機構が創設した。これまでに大井川鉄道(静岡県)やいすみ鉄道(千葉県)、小湊鉄道(千葉県)に派遣されている。

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