伊予鉄「全国交通系ICカード」路面電車などに導入 郊外電車や既存カードどうなる?



伊予鉄グループ社(松山市)とJR西日本は10月27日、伊予鉄グループの伊予鉄道と伊予鉄バスがICOCAなど全国相互利用サービスに対応した交通系ICカードを導入すると発表した。導入時期は来年2024年3月の予定。

10カードが利用できるようになる市内電車(左手前)。郊外電車(右奥)は2024年3月の時点では利用できない。【画像:KUZUHA/写真AC】

全国相互利用サービスに対応した交通系ICカード(10カード)が導入されるのは、伊予鉄道の路面電車(市内電車)全線と伊予鉄バスの松山空港リムジンバス。ICOCAやSuica、PASMOなど10種類の交通系ICカードで利用できるようになる。モバイル端末でも「モバイルICOCA for Android」「Apple Pay のICOCA」で利用可能だ。

伊予鉄グループの清水一郎社長は「システム投資や毎年のランニングコストなど負担は大きいが、利便性向上のために、導入を決めた。モバイル機能を使ってスマートフォンをタッチするだけで乗り降り可能となるので、ぜひ皆さんにご利用頂きたい」とコメント。伊予鉄グループ社とJR西日本は「全国交通系ICカードの導入により、ビジネスや観光などにおける移動の利便性向上を図るとともに、キャッシュレス化を加速させてまいります」としている。

モバイル端末やICカードでの利用イメージ。ICOCAなど10カードでも伊予鉄グループの路面電車や松山空港リムジンバスを利用できるようになる。【画像:伊予鉄グループ・JR西日本】

現在の伊予鉄グループ各社は2005年、独自のICカード「ICい~カード」を導入。グループ各社の鉄道(郊外電車)や市内電車、バス、タクシーで利用できる。一方で10カードの利用にはこれまで対応していなかった。

伊予鉄道の広報担当者によると、2024年3月の10カード導入後も伊予鉄道の郊外電車では10カードを利用できず、10カードを利用できるようにする計画もいまのところない。ICい~カードは引き続き利用でき、ICい~カードのサービスを終了する計画もいまのところないという。

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