札幌市電「7年ぶり運賃改定」30円値上げへ 上下分離方式への移行後は初



札幌市電を運行する札幌市交通事業振興公社は、来年2024年12月にも運賃を改定して値上げする方針を固めた。

値上げが考えられている札幌市電。【撮影:草町義和】

札幌市電は4期連続の赤字で昨年度2023年度は約2600万円の赤字だった。普通旅客運賃は現在200円だが、公社は30円値上げして230円にする考え。これにより年間で2億円ほどの増収を見込む。

札幌市電は2020年、経営再建のため上下分離方式に移行。札幌市が施設を保有し、公社が同市から施設を借り入れて路面電車を運行している。移行前の2017年に運賃の改定が実施され、普通旅客運賃は170円から30円値上げされて200円になっていた。2024年に改定されれば7年ぶりの値上げ。上下分離移行後は初の値上げになる。

上下分離の移行前後に導入された新型車両の1100形電車「シリウス」。【撮影:草町義和】

札幌市の秋元克広市長は今年2023年9月15日、「市電の利用者はコロナ禍で3割ほど減少。現在はコロナ禍前の状況に戻りつつあるが、利用者の増加を想定していた経営計画上の見込みとの比較では10%ほど少ない。これに加えて電気料金の値上げや資材高騰があり経営が厳しい」と話し、値上げはやむを得ないとの認識を示した。

※誤字を修正しました。(2023年9月18日14時50分)

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