えちごトキめき鉄道が4月から値上げへ 運賃改定を申請



えちごトキめき鉄道(トキ鉄)は1月16日、国土交通省の北陸信越運輸局に運賃の変更認可を申請したと発表した。認可された場合、4月1日から全体で3割程度値上げされる予定。

トキ鉄妙高はねうまライン(旧・信越本線)の妙高高原駅。【撮影:草町義和】

運賃の変更が申請されたのは普通旅客運賃と定期旅客運賃。割引切符などの特別企画乗車券は認可後に届け出る予定だ。

普通旅客運賃の場合、初乗り区間(1~3km)はいまより50円高い190円に。91~97kmの区間は現在の1690円に対し、運賃改定後は570円高い2260円になる。おもな区間では、高田~直江津間が80円値上げの280円。直江津~糸魚川間では220円高い900円だ。定期旅客運賃は通勤が平均33%の改定になるのに対し、通学は平均15%の改定に抑えている。

トキ鉄線とJR線にまたがる区間の一部で適用されている乗継割引は、JR線区間の割引が3月31日限りで廃止されるが、トキ鉄線区間の割引は継続される。土曜・休日に限り2日間使えるフリー切符「トキめきホリデーフリーパス」などは、利用日や有効期間などの見直しを検討中という。

トキ鉄は北陸新幹線の開業にあわせ、新潟県内の並行在来線(信越本線・妙高高原~直江津間と北陸本線・直江津~市振間)の経営を引き継いだ第三セクター。

開業時の経営基本計画は、国や沿線自治体の支援を受けたうえで運賃をJR時代の1.8倍程度まで引き上げると経営が成り立つ見通しとしていたが、トキ鉄は運賃の急激な変化を緩和するため、開業後5年間は運賃額をJR並みに据え置くことにしていた。

おもにトキ鉄日本海ひすいライン(旧・北陸本線)で使われているET122形気動車。【撮影:草町義和】

まもなく開業から5年を迎えるが、鉄道施設の維持補修・設備更新の費用が当初の想定以上に膨らんでおり、さらに押上新駅(仮称、糸魚川市)の設置事業や老朽化した変電所の更新事業などのプロジェクトもあることから、トキ鉄は経営基本計画に沿う形で値上げすることにした。