京成電鉄「バリアフリー料金」導入 関東大手私鉄すべて値上げへ



京成電鉄は5月18日、「鉄道駅バリアフリー料金制度」を来年2024年春に導入すると発表した。ホームドアなどバリアフリー設備の整備を推進する。

京成本線の京成臼井駅。【撮影:草町義和】

京成電鉄はこれまで、日暮里駅や空港第2ビル駅、成田空港駅にホームドアを整備。エレベーターやスロープ、多機能トイレなどの整備も進めている。同社は今後、バリアフリー料金制度を活用し、バリアフリー設備の整備費を客から「薄く広くご負担いただく」としている。

料金の設定額や整備計画など詳細は今後、国に整備計画などを届け出る際に案内するとしている。

ホームドアが設置されている京成本線の日暮里駅。【撮影:草町義和】

バリアフリー料金制度は2021年12月に国が創設。運賃にバリアフリー料金を加算して徴収し、駅のホームドアやエレベーターなどバリアフリー化のための整備費として充当することができる。導入に際しては国に徴収計画や整備計画を届け出る必要がある。

関東大手私鉄では、東武鉄道・西武鉄道・小田急電鉄・相鉄・東京メトロの5社が今年2023年3月に導入。各社とも普通運賃に対し10円のバリアフリー料金を加算している。定期運賃に対する加算額は各社ごとに異なり、東京メトロの場合は1カ月の通勤定期券で370円を加算。通学定期券には加算していない。

京王電鉄・東急電鉄・京急電鉄はバリアフリー料金を導入していないが、東急電鉄は3月に運賃の通常値上げを実施。京急電鉄は10月に通常の運賃値上げを実施する予定で、京王電鉄も10月に通常値上げを実施する方針だ。

今回、京成電鉄がバリアフリー料金制度の導入を決めたことで、関東大手私鉄は2023年から2024年にかけ、何らかの形ですべて値上げされることになった。

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