関西を中心とした公共交通事業者が加盟するスルッとKANNSAI協議会などは12月14日、QRコードを活用したデジタル乗車券のサービスを来年2024年6月に開始すると発表した。サービス名称は「スルッとQRtto(クルット)」。まず鉄道・バス7社が導入する。
2024年6月のサービス開始当初にスルッとQRttoを導入するのは、大阪メトロ・大阪シティバス・近鉄・京阪電鉄・南海電鉄・阪急電鉄・阪神電鉄。その後もサービス導入事業者の拡大を予定している。スルッとKANNSAI協議会によると、まずは現在、磁気カードや磁気式の切符で発売している企画乗車券類をQRコードのデジタル乗車券として発売する予定という。
鉄道を利用する場合、スマートフォンなどで専用ウェブサイトにアクセスし、あらかじめデジタル乗車券を購入。駅の改札ではスマホなどの画面にデジタル乗車券のQRコードを表示し、QRコードの読み取りに対応した自動改札機にQRコードをかざす。
バス利用時も専用ウェブサイトで事前に乗車券を購入するのは鉄道利用時と同じだが、降車時に車内掲示のQRコードをスマホなどのカメラで読み取り、運転手が画面を確認後、降車する形になる。
阪神電鉄の場合、西代駅を除く各駅がQRコード乗車券サービスの対象駅。同社はQRコードの専用読取部を設置した新型自動改札機への機器更新を進めており、2025年3月末ごろをめどに新型自動改札機への更新を完了する予定だ。
阪急電鉄は全87駅(神戸高速線の花隈駅を含み、大阪メトロが管理する堺筋線・天神橋筋六丁目駅を除く)が対象。QRコード読取装置を設置した改札機を少なくとも各改札に1台設置する。京阪電鉄は京阪線(京阪本線・鴨東線・中之島線・交野線・宇治線)と石清水八幡宮参道ケーブル(鋼索線)にQRコード乗車券に対応した改札機を設置する。
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