東急田園都市線「8500系」半世紀近い歴史に幕 ラストは「青帯車」



東急田園都市線の通勤電車「8500系」が営業運行を終了し、東急線での半世紀近い歴史に幕を閉じた。東急電鉄によると、8500系で最後まで残った第8637編成が運用を離脱。1月25日、長津田車両基地に回送された。

東急田園都市線の8500系で最後まで運用された「青帯車」の第8637編成。【撮影:草町義和】

東急電鉄は8500系の引退を記念した特設ウェブサイト「ありがとうハチゴープロジェクト」の公開を当面のあいだ継続し、今後も未公開映像などの掲載を検討するとしている。

8500系は48年前の1975年にデビューした通勤電車。1977年に開業した東急新玉川線(現在の東急田園都市線)と1978年に開業した営団地下鉄(現在の東京メトロ)半蔵門線の直通運転に対応し、1991年までに400両が製造された。

在りし日の8500系。【撮影:草町義和】

2003年以降、老朽化に伴う新型車両の導入で順次引退し、昨年2022年4月時点では第8631編成と第8637編成の2本だけに。5月には第8631編成が引退して第8637編成の1本だけになっていた。8500系は先頭部の赤帯が標準的な装飾だったが、最後まで運用された第8637編成は青い帯を巻いた特別な装飾が施されていた。

いまもジャカルタの都市鉄道で運行されている8500系。【撮影:草町義和】

東急線での運用は終了したが、8500系の一部は地方私鉄や海外の鉄道に譲渡。いまも長野電鉄やインドネシアの首都ジャカルタの都市鉄道で運行されている。

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