京成電鉄と北総鉄道の2社は6月19日、6月12日に発生した脱線事故を受け、脱線した車両と同じ構造の台車を履いている車両を緊急点検し、異常がないことを確認したと発表した。
緊急点検が行われたのは、京成電鉄所属の3700形電車(1~5次車)の64両(8両編成8本)と、北総鉄道所属の7300形・7800形・9100形・9800形電車の64両(8両編成8本)の合計128両。いずれも6月12日に脱線した車両と同じ構造の台車を履いている。
脱線車両の台車は側ばりに亀裂が確認されたことから、6月13日までに同じ場所を目視などで緊急点検し、さらに非破壊検査による詳細な点検を6月19日までに実施した。いずれの台車も異常がないことを確認したという。2社は今後、ほかのすべての車両の台車についても非破壊検査(磁粉探傷検査)による詳細な点検を行うとしている。
脱線事故は6月12日10時15分頃、青砥駅(東京都葛飾区)構内で発生。京成線との相互直通運転を行っている北総鉄道7300形電車の第7818編成が同駅に進入した際、7両目の後方台車の車軸が約20cm右側に脱線し、その後の点検で台車には複数の亀裂が入っていたことが確認された。
2社は運輸安全委員会の調査に協力するほか、鉄道総合技術研究所(鉄道総研)の協力を受けて原因究明と再発防止対策に取り組んでいくとしている。