ことでん「ウクライナ車」登場 「連帯」の意思表示、元の色を生かして装飾



ことでん(香川県)は4月19日から、ウクライナ国旗を模したラッピング車両の運行を始めた。ロシアによるウクライナへの全面侵攻で大きな被害が発生しているウクライナの鉄道への連帯を示す。

ウクライナ国旗を模したラッピングが施された1200形の1207+1208号。【画像:ことでん】

同社が公表した写真などによると、ラッピング車は琴平線で運用されている1200形(もと京急電鉄700形)の2両編成(1207+1208号)。この車両の塗装は上部がクリーム色、下部が黄色だが、上部に青のラッピングを施し、青と黄色で構成されるウクライナ国旗に近い外観になった。黄色は元の塗装を生かしたため、ウクライナ国旗よりやや濃い。

側面の窓上には、ウクライナ語ではなく英語で「We stand with you. -To the Ukrainian railway operators working to project people’s lives- We wish for world peace.(我々はあなたたちとともにある ~人々の生活を守るため働いているウクライナの鉄道事業者へ~ 我々は世界平和を願う)」とのメッセージが添えられた。

側面の窓上には英文のメッセージが入った。【画像:ことでん】

ことでんによると、ラッピング車の運行は「同じ鉄道事業者がこれほど大きな被害にあっているのを放ってはおけない」と若手社員が提案したもの。「鉄道会社としてウクライナの鉄道事業従事者への連帯を示す」としている。今後、この車両に関するグッズを発売し、その収益をウクライナ支援のため寄付するという。

日本の交通事業者では4月15日、両備グループの小嶋光信代表がウクライナへの人道支援を行うと発表。支援資金として1億円を国連難民高等弁務官事務所に寄付したほか、グループ会社の岡山電軌と和歌山電鉄の車両にウクライナ国旗を取り付けた。

ウクライナ鉄道の電気機関車。【画像:AeroSSC】

ウクライナの鉄道の大半は、国鉄に相当するウクライナ鉄道(UZ)が運営。ロシアによるウクライナへの全面侵攻が始まった2月以降、UZは避難民を乗せた旅客列車や支援物資を運ぶ貨物列車、軍用列車の運行を行っている。鉄道施設への被害も発生しており、4月8日にはウクライナ東部ドネツク州のクラマトルスクの鉄道駅がミサイルで攻撃され、多数の死者が出た。

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