東急大井町線の戸越公園駅付近「連続立体化」一歩前進 都市計画素案、2月に説明会



東京都の都市整備局は1月19日、東急大井町線・戸越公園駅付近で構想されている線路の連続立体化と関連道路、交通広場の整備構想について、都市計画素案を作成したと発表した。2月に素案の説明会を行う。

東急大井町線の戸越公園駅。【画像:rontaka/写真AC】

この構想は大井町線の戸越公園駅とその前後の線路を連続的に立体化して踏切6カ所を解消するもの。6カ所の踏切はすべて「開かずの踏切」に指定されており、このうち戸越公園1号踏切と戸越公園2号踏切は2021年度の調査で最大ピーク時の遮断時間が44分となっている。

このため東京都は2016年、大井町線の戸越公園駅付近を連続立体交差事業(連立事業)の事業候補区間に位置付けて調査検討を開始。2021年4月には国土交通省が新規の連立事業として「着工準備」を採択し、東京都は都市計画素案の作成などを進めていた。

連続立体交差事業の事業区間。6カ所の踏切が解消される。【画像:国土交通省】

2021年度の調査によると、事業区間は品川区の豊町から東中延までの約0.9kmで全体事業費は約235億円の見込み。高架化と地下化のどちらで整備するかなど詳細は明らかになっておらず、都市計画素案の説明会や都市整備局のウェブサイトで今後公表される。

2020年を基準年とした費用便益比は1.4で、社会的効果が事業費を上回るとされている。連続立体化で踏切渋滞が解消されるほか、新たに都市計画道路(補助29号)を整備することで周辺道路の渋滞緩和も期待できるという。

都市計画素案の説明会は2月9日19時~20時30分(18時30分開場)と2月11日14時~15時30分(13時30分開場)の2回、品川区立豊葉の杜学園で行われる予定。定員は各回約400人で先着順。

《関連記事》
東急自由が丘駅周辺の「鉄道立体化」調査・検討 東京都目黒区2021年度予算
鉄道「高架化」「地下化」で踏切いつ解消? 全国「連続立体交差事業」まとめ