JR四国「スマホ定期券」一部区間で割引 所定運賃で最大1.74倍の値上げ、激変緩和



JR四国は5月12日、一部区間で定期券の割引を期間限定で実施すると発表した。同社のチケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」で「アプリ通勤定期券」を購入した場合に限り、割引を実施する。5月20日に実施される運賃値上げの激変緩和措置。

予土線の列車。【画像:ジョーナカ/写真AC】

割引が実施されるのは大人通勤定期券。1・3カ月用で擬制キロが16kmと17km(営業キロ15km)の区間、6カ月用で擬制キロが4km(営業キロ3km)と11km、16km、17km(営業キロ15km)、21km、22kmの区間、6カ月用で運賃計算キロが11km(営業キロ10km)の区間で割引を実施する。

割引が実施される通勤定期券の距離帯と現行運賃、所定改定運賃、割引額。【画像:JR四国】

1カ月用で擬制キロが16kmの区間の場合、現在は8650円だが、改定後の運賃は約1.54倍の1万3360円になる。アプリ通勤定期券では590円割引の1万2770円で、現行運賃の約1.48倍に抑えられる。

6カ月用で擬制キロが16kmの区間では、現行運賃の4万1460円に対し改定後の所定運賃は7万2140円で1.74倍。アプリ通勤定期券なら1万920円安い6万1220円で約1.48倍に抑えられる。

割引の実施期間は、5月20日から来年2024年5月19日の購入分までの1年間。

JR四国によると、地方交通線の相互発着となる一部区間や幹線・地方交通線を連続して乗車する一部区間で設定している特定運賃を、5月20日の運賃値上げにあわせて廃止。これにより、一部の区間で定期運賃の改定率が50%を超える区間が生じることから、激変緩和のため定期券の割引を期間限定で実施することにしたという。

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