JR東海「キハ85系」6月末をもって引退 ラスト列車は10両中8両が「先頭車」



JR東海は5月10日、キハ85系特急型気動車の運行を6月末をもって終了すると発表した。これを記念した臨時特急「ありがとうキハ85系南紀」「さよならキハ85系」を6月から7月にかけ運行する。

キハ85系の特急「南紀」。7月からはHC85系に統一される。【画像:忍者くん/写真AC】

「ありがとうキハ85系南紀」は6月24・25日に6両編成で運行。運行区間と時刻は、下りが名古屋8時51分→新宮12時44分、上りは新宮13時55分→名古屋17時44分になる。途中駅での乗り降りはできない。車両の構成は、キロ85-0(1号車)+キハ84-200(2号車)+キハ84-300(3号車)+キハ85-1209(4号車)+キハ84-200(5号車)+キロ85-0番台(6号車)。

「ありがとうキハ85系南紀」の編成。【画像:JR東海】

グリーン車の1・6号車と普通車の2号車は、JR東海ツアーズの旅行商品として5月17日15時から発売される予定。グリーン車利用の展望席プランは5月14日まで抽選申込を受け付ける予定だ。それ以外の車両は通常の普通車指定席。乗車日1カ月前の10時から全国のJRのおもな駅で指定席特急券が発売される。

「さようならキハ85系」は7月8・9日に運行される。いずれも途中駅では乗り降りできない。7月8日は名古屋8時57分→高山11時48分の下りのみ運行。名古屋→岐阜では稲沢線を走る予定だ。編成はキハ85-1209(1号車)+キハ85-1100(2号車)+キハ85-200(3号車)+キハ84-300(4号車)+キロ85-0の5両。

「さようならキハ85系」(7月8日、下り)の編成。【画像:JR東海】

最終日の7月9日は名古屋~高山を往復。まず名古屋8時57分→高山11時48分の下り列車を5両編成で運行する。名古屋→岐阜では稲沢線を走る予定だ。車両の構成は、キロ85-0(1号車)+キハ84-300(2号車)+キハ85-200(3号車)+キハ85-1100(4号車)+キハ85-1100(5号車)になる。

「さようならキハ85系」(7月9日、下り)の編成。【画像:JR東海】

最終列車となる上り列車は10両編成で、時刻は高山14時00分→名古屋16時34分。編成構成は、キロ85-0(1号車)+キハ84-300(2号車)+キハ85-200(3号車)+キハ85-1100(4号車)+キハ85-1100(5号車)+キハ85-1209(6号車)+キハ85-1100(7号車)+キハ85-200(8号車)+キハ84-300(9号車)+キロ85-0(10号車)で、10両中8両は運転台付きの先頭車になる。

「さようならキハ85系」(7月9日、上り)の編成。【画像:JR東海】

「さようならキハ85系」はすべて団体専用列車で、乗車に際してはJR東海ツアーズが6月2日14時から発売する旅行商品を購入する必要がある。展望席など一部のプランは5月24~27日に抽選申込みを受け付ける予定だ。

キハ85系は1988年から1992年にかけ80両が製造された、JR東海の特急型気動車。国鉄時代に製造されたキハ82系特急型気動車の更新やスピードアップによるサービス向上を目的に開発され、高山本線の特急「ひだ」や紀勢本線の特急「南紀」で運用された。

最初の導入から30年が過ぎて老朽化したこともあり、JR東海は新型のハイブリッド式特急型気動車「HC85系」を昨年2022年7月から導入。今年2023年3月のダイヤ改正で「ひだ」の定期列車がHC85系に統一された。

7月1日からは「南紀」もHC85系に統一される予定。キハ85系はJR東海の車両としては引退する。ただし一部の車両が京都丹後鉄道に譲渡されており、形式をKTR8500形に変更して運用される予定だ。

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