リニア中央新幹線・北品川シールドマシン調査掘進「再開」へ 添加剤注入設備が故障



JR東海は4月28日、シールドマシンの故障で中断しているリニア中央新幹線・第1首都圏トンネル(北品川工区)の調査掘進について、安全性が確認できたとして5月中旬頃に再開すると発表した。

北品川工区のシールドマシン。【画像:JR東海】

JR東海によると、調査掘進は2021年10月に開始。当初の計画では、北品川非常口(東京都品川区北品川4丁目)から広町1丁目まで約300mを2022年3月までに掘る計画だった。しかし、シールドマシンの添加剤注入設備が破損して掘りにくくなり、2022年3月にシールドマシンを停止。北品川非常口から50mほどのところで中断した。

今年2023年2月までに設備の修繕とカッターヘッドに付着した土の除去を完了。3月には自社用地の範囲内(約7m)で掘進を実施し、施工データや掘削土の状態、周辺への影響を検証した結果、安全性を確認できたという。

北品川工区の縦断面図。【画像:JR東海】

調査掘進は地盤の変位や振動などを計測し、周辺への影響や安全対策の有効性などを確認するもの。2020年10月、東京外郭環状道路(外環道)の大深度地下トンネル工事で地表の陥没事故が発生したことから、JR東海は調査掘進の実施を決めた。

第1首都圏トンネルは品川駅から神奈川県駅(仮称)の先まで全長約37km。このうち約33kmが大深度地下を通る計画で、北品川工区は北品川非常口から東雪谷非常口を経て等々力非常口までの約8.2kmになる。

第1首都圏トンネルでは、ほかに梶ヶ谷工区で3月27日に調査掘進が始まり、3月31日から東百合丘工区でも調査掘進が始まった。4月28日時点の掘進距離は梶ヶ谷工区が約7mで、東百合丘工区は約4m。

《関連記事》
リニア中央新幹線「大深度地下シールドマシン」10月14日に初発進 まず「調査掘進」
東海道・山陽新幹線の3列席が追加料金で「2列席風」 ビジネス車サービス拡充