JR東海は11月17日、新型車両「315系」を来年2022年3月から運転すると発表した。これに伴い、同社が保有する鉄道車両のうち、国鉄時代に製造された車両がすべて引退する。
315系の運転開始日は2022年3月5日の予定で、まず中央本線・名古屋~中津川間に導入される。この区間は2023年度中には特急車両を除き、315系に統一される計画だ。
315系は在来線普通列車用の電車。本年度2021年度から2025年度にかけ、352両が製造される計画だ。2021年度は56両が製造される計画で、最初に完成した編成の試運転が今年2021年11月から始まっている。
モーターを駆動する電力変換装置に高効率のSiC素子を採用するなどして省エネルギー化を図り、バリアフリー設備の充実やセキュリティー強化、AIを活用した冷房機能の向上や座り心地の向上を図った。停電などの非常時でも自走できるようにするためのバッテリーも2022年夏以降、順次搭載する。
JR東海が保有する在来線の鉄道車両は2021年11月時点で1195両。このうち普通列車用の電車の211系250両(1986~1990年新製)と213系28両(1988~1990年新製)、311系60両(1989~1990年新製)が、315系に置き換えられる計画だ。この211系250両のうち8両(4両編成2本=K51編成とK52編成)は、JR東海の車両で唯一、国鉄時代に製造された車両。K51・K52編成は315系の導入に伴い、2022年3月中に引退することが決まった。
これにより、JR東海の車両は1987年の国鉄分割民営化・JR東海発足後に製造された車両だけになる。JR7社のなかで国鉄時代に製造された車両がなくなるのはJR東海が初めてだ。
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