津山線に「水素燃料電池列車」地元自治体が導入検討へ JRと連携、水素拠点施設も



岡山県津山市の谷口圭三市長は4月14日、津山線への「水素燃料電池列車」の導入などをJR西日本と連携して検討すると発表した。

未来の燃料電池列車のイメージ。【作成:さかいあきよ】

JR西日本は4月12日、水素供給の拠点施設の整備や燃料電池列車の導入などを盛り込んだ水素利活用計画を検討すると発表。谷口市長はこれを受けて「脱炭素社会を目指す本市としても、JR西日本や沿線自治体などと連携しながら津山線への水素燃料電池列車の導入を目指す」と話した。市内の鉄道駅に水素供給の拠点施設を設置することも検討する。

JR西日本が発表した水素利活用計画の検討内容によると、2050年に二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにすることを目指す同社グループ環境長期目標の一環として検討するもの。

JR西日本が保有する駅施設などを活用して「総合水素ステーション」を設置し、燃料電池列車やバス、トラック、乗用車に水素を供給するほか、貨物列車による水素輸送の拠点として活用することも検討する。

燃料電池列車も水素利活用計画の一環として検討するもので、将来的には軽油を燃料にディーゼルエンジンで走行する気動車を更新するという。当面は山陽本線の姫路貨物駅に総合水素ステーションを設置することを検討する模様だ。

JR西日本が公表した「総合水素ステーション」のイメージ。【画像:JR西日本】

津山線は岡山~津山の58.7kmを結ぶJR西日本の鉄道路線。全線が非電化単線で、車両は国鉄時代の1970~1980年代に製造されたキハ40系気動車とJR発足後の1990年代に製造されたキハ120形気動車が使われており、とくにキハ40系の老朽化が進んでいる。

輸送密度は1987年度が4542人だったのに対し、コロナ禍が本格化する前の2019年度は3588人で1000人近く減少。コロナ禍の2020年度は2626人で、事業者単独での維持が厳しいとされる2000人に近づいている。

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