JR西日本は4月12日、「燃料電池列車」の導入に向けた開発を実施すると発表した。同社の環境長期目標に基づき検討する水素利活用計画の一環。
JR西日本が検討する水素利活用計画では、駅などの鉄道資産を活用して「総合水素ステーション」を設置。燃料電池列車やバス、トラック、乗用車に水素を供給するほか、JR貨物の貨物列車による水素輸送の拠点としての活用も検討する。
この一環で燃料電池列車の導入に向けた開発も実施。化石燃料である軽油を燃料にディーゼルエンジンで走行する気動車の将来の置換えを図り、二酸化炭素(CO2)排出量の削減を目指す。
JR西日本によると、同社は以前から兵庫県の産官学連携組織「播磨臨海地域カーボンニュートラルポート推進協議会」に参画。自治体やほかの企業と連携して水素の利活用による次世代エネルギー導入や脱炭素化の検討を進めている。
総合水素ステーションの設置で自治体などと連携した水素利活用を推進するほか、JR西日本が水素のプラットフォーマーとしてCO2排出量の削減への貢献を目指すという。
鉄道車両の燃料電池車はJR東日本がFV-E991系試験車「HYBARI(ひばり)」を2022年に導入し、2030年の実用化を目指し試験中だ。JR東海は本年度2023年度の重点施策と関連設備投資で、車両走行試験装置を用いた燃料電池車の試験を盛り込んでいる。
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