熊本電鉄が運賃改定を申請 利用者増加も平均10~11%値上げ、初乗り20円高い160円に



熊本電気鉄道(熊本電鉄)は8月17日、国土交通省の九州運輸局長に旅客運賃の上限変更認可を申請したと発表した。認可された場合、平均で10~11%程度値上げされる。

熊本電鉄の列車。【撮影:草町義和】

普通旅客運賃の場合、平均値上げ率は10.77%。初乗り運賃(2kmまで)は今より20円高い160円に。2~3kmはいまと同じ170円に据え置かれるが、3km以上の区間では20~50円値上げされる。藤崎宮前~御代志間9.7kmは30円値上げの410円。

定期旅客運賃の平均値上げ率は、1カ月の場合で通勤が11.07%、通学が11.13%。藤崎宮前~御代志間は、通勤1カ月が1180円値上げの1万4760円、通学1カ月が980円値上げの1万2300円になる。

区間別の申請運賃(普通旅客運賃)。【画像:熊本電鉄】

熊本電鉄は、上熊本~北熊本~御代志間10.8kmの菊池線(熊本市・合志市)と、藤崎宮前~北熊本間2.3kmの藤崎線(熊本市)を運営。同社によると、利用者は過去10年間で増加傾向にあるが、安全性向上のため道床の砕石化やコンクリート枕木化、運行車両の更新を行っており、事業収入が設備投資費用を上回っていない。

直近3年間の累積赤字は7000万円を超えており、過去67年間の累積赤字は約24億円という。熊本電鉄は「今後も輸送の安全を確保し続けるには、諸経費の増大は避けられず、厳しい事業運営が続く」として、運賃を値上げすることにしたとしている。