大阪駅「うめきたエリア」使用開始 おおさか東線と「はるか」「くろしお」停車



JR西日本は3月18日のダイヤ改正にあわせ、大阪駅の新しい地下ホーム「うめきたエリア」の使用を開始した。当日の10時30分頃、同エリアの21番線ホームで特急「はるか17号」の出発式が行われた。

「ふすまホームドア」が設置された21番線ホームで行われた大阪駅(うめきたエリア)の出発式。【画像:JR西日本】

うめきたエリアは大阪駅北側の再開発エリア(梅田貨物駅跡、うめきた2期)に整備された、島式ホーム2面4線(21~24番線)の地下ホーム。東海道本線貨物支線(梅田貨物線)・新大阪~西九条のルートを変更して地下化(2月)した部分に設けられた。地下ホームの上には地下コンコースと地下改札(うめきた地下口)が設けられ、うめきた地下口と近隣の複合商業施設「グランフロント大阪」などを結ぶ改札外地下通路も整備された。

工事が終盤を迎えていた頃(2022年12月)のうめきたエリア。島式2面4線の地下ホームが整備された。【撮影:草町義和】

うめきたエリアには、以前から梅田貨物線を走行していた京都~新大阪~関西空港の特急「はるか」と京都・新大阪~和歌山・海南・白浜・新宮の特急「くろしお」が停車。従来は新大阪発着だった、おおさか東線の列車もうめきたエリアに乗り入れ、おもな運行区間が大阪(うめきた)~久宝寺に拡大された。

このほか、従来の大阪駅は1~11番線ホーム下の西寄りに西口改札を整備。このうち11番線ホームを除き、各ホームの西寄りから西口改札コンコースにつながる階段やエレベーターが整備された。西口改札コンコースとうめきたエリアの地下コンコースを改札内で連絡する通路も整備され、従来の大阪駅の各ホームとうめきたエリアのホームが改札内でつながった。

11番線ホームと西口改札コンコースをつなぐ部分は工事中。当面のあいだはほかのホームに移動してから西口改札コンコースに向かう必要がある。

従来の大阪駅の西寄りに設けられた西口改札コンコース(工事中の2022年12月)。うめきたエリアのコンコースと西口改札コンコースが改札内の連絡通路で結ばれた。【撮影:草町義和】
従来の大阪駅とうめきたエリアの移動ルート(2023年3月18日時点)。【画像:JR西日本】

従来の大阪駅とうめきたエリアが改札内で連絡できるため、営業上は従来の大阪駅とうめきたエリアが同一の駅(大阪駅)として扱われる。たとえば新大阪駅からうめきたエリアまで列車に乗る場合、新大阪~大阪の乗車券で利用できる。梅田貨物線も営業上、新大阪~大阪(うめきた)は東海道本線、大阪(うめきた)~西九条は大阪環状線の扱いになる。

JR西日本はうめきたエリアを未来技術の実証実験の場として位置付けており、さまざまな新技術が導入されている。21番線ホームには「ふすま型」のホームドアを設置。ふすまタイプのドアを移動させることで開口位置を自在に変えることができ、車両のドア数やドア位置が異なっていても対応できるようにしている。改札口には顔認証に対応した自動改札機を設置した。

うめきた地下口の顔認証改札機のイメージ。【画像:JR西日本】

今回使用開始したのは地下部分のみで、地上部分はいまも工事中。観光バス・タクシー乗り場などを設けた駅前広場と、地上3階建ての「みどり豊かな新駅ビル」を整備する。うめきた2期のまちづくりにあわせて整備を進め、新駅ビルは大阪・関西万博が開催される2025年春頃に使用開始の予定だ。

うめきたエリアの地上部(上:2016年、下:完成イメージ)。【撮影・画像:草町義和(上)・JR西日本(下)】

このほか、2031年春には大阪(うめきた)~JR難波・南海新今宮駅を結ぶなにわ筋線が開業の予定。阪急電鉄の十三駅と大阪駅(うめきた)を結ぶなにわ筋連絡線の整備も構想されている。

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