JR旅客会社と大手私鉄の全社に精神障害者割引制度が導入されることになった。JRグループはJR旅客6社共通の割引制度を来年2025年4月1日に導入。大手私鉄も2025年4月1日までにJR旅客6社とほぼ同じ内容の割引制度を全19社が導入する。関係各社が今年2024年4月11日、発表した。
JR旅客6社の場合、各自治体が発行する精神障害者保健福祉手帳を持っている人が割引の対象。今後、精神障害者保健福祉手帳には「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄」が設けられ、第1・2種の別が表記される予定だ。
第1種精神障害者とその介護者が一緒に利用する場合、普通乗車券・回数乗車券・普通急行券・定期乗車券が第1種精神障害者・介護者ともに5割引になる。第2種精神障害者と介護者が一緒に利用する場合、第2種精神障害者が12歳未満の場合に限られ、定期乗車券に限り第2種精神障害者・介護者ともに5割引になる。いずれも定期乗車券は小児定期乗車券を除き、介護者は一人だけ割引の対象だ。
精神障害者が一人で利用する場合、片道の営業距離が100kmを超える場合に限り、第1種・第2種ともに普通乗車券に限り5割引になる。
大手私鉄は京王電鉄・東急電鉄・京急電鉄・名鉄・近鉄・南海電鉄・西鉄の7社が精神障害者の割引制度を導入済み。このうち京王電鉄・東急電鉄・京急電鉄の3社は2025年4月1日に割引内容を拡充する。残る東武鉄道・京成電鉄・西武鉄道・小田急電鉄・東京メトロ・相鉄・京阪電鉄・阪急電鉄・阪神電鉄の9社は2024年8月1日から2025年4月1日にかけ、順次導入する計画だ。
JR・大手私鉄以外の鉄道事業者でも、2025年4月1日をめどに精神障害者割引制度を導入する事業者がある。都営地下鉄と日暮里・舎人ライナー、都電の場合、2024年8月1日から普通乗車券に限り割引制度を導入。2025年4月1日からは回数乗車券・定期乗車券・ICカード乗車券に拡充する。
このほか、関東ICカード相互利用協議会が2024年4月11日、障害者用ICカード(Suica・PASMO)を対象を拡大し、精神障害者も利用できるようにすると発表。2025年4月1日から、第1種精神障害者の大人とその介護者一人が利用できる。関東ICカード相互利用協議会は関東圏で交通系ICカードを使ったサービスを提供している鉄道事業36社局とバス事業34社局が加盟している。
《関連記事》
・南海電鉄・泉北高速鉄道「精神障害者割引」導入 一定の条件で5割引、本人単独も
・京急電鉄の子供運賃「75円均一」に 精神障害者割引も導入、空港割引は廃止へ