南海・泉北特急「泉北ライナー」に「ラピート」投入 高野線特急の車両不足で



南海電鉄と泉北高速鉄道は9月30日、通常は関西空港アクセス特急「ラピート」で運用している特急電車の50000系について、難波~和泉中央(大阪府)を結ぶ南海高野線・泉北高速鉄道線の直通特急「泉北ライナー」に投入すると発表した。

通常は関空アクセス特急「ラピート」で運用されている50000系。【撮影:草町義和】

「泉北ライナー」は通常、南海電鉄の11000系と泉北高速鉄道12000系で運行されている。50000系を「泉北ライナー」に投入することで南海電鉄の11000系を捻出。脱線事故の影響で車両不足が続く南海高野線の特急列車に充当する。

50000系による「泉北ライナー」の運行期間は11月1日から当面のあいだ。下り難波発「泉北ライナー63・67・71・75・79号」の5本と上り和泉中央発「泉北ライナー64・70・74・78・82号」の5本が50000系で運転される。

特急料金は通常の「泉北ライナー」と同じ520円。50000系の座席はレギュラーシート(特急料金は520円、泉佐野~関西空港は100円)とスーパーシート(730円)の2種類だが、スーパーシートも含め全席同額の520円になる。

これに先立つ10月30日には「泉北沿線にお住まいの方々にラピートに慣れ親しんでいただくため」として、乗車券だけで50000系に乗れる試乗会を和泉中央→難波で実施。先着順の事前予約制で10月3日10時から専用ウェブサイトで申込みを受け付ける。

一方、「泉北ライナー」で運用されている特急電車のうち南海電鉄11000系は、11月3日から南海高野線の座席指定特急で運用される。

南海高野線の座席指定特急「こうや」「りんかん」は特急電車の30000系・31000系・11000系で運行されている。今年2022年5月に30000系の第30001系が小原田車庫での入替走行中に脱線。この影響で運用できる車両が不足している。

南海電鉄は現在、「こうや」「りんかん」の一部列車を運休し、その代替として一般車両を使った全席自由席の特急を運行。運行を継続している列車も一部は車両数を8両から4両に減らして運行している。

南海高野線の「こうや」で運用されている30000系。【撮影:草町義和】

11月3日からは11000系の充当により、自由席特急の一部が全席指定の「こうや」「りんかん」として運転を再開する。ただし車両検査の都合で運休する日があるなど、全面的な運転再開は依然としてめどが立っていない。

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