大阪市内の南海高野線など「立体化」調査検討の委託を公告



大阪市は6月27日、本年度2022年度の連続立体交差事業(連立事業)に関する調査検討委託業務を事後審査型制限付一般競争入札として公告した。

南海高野線の帝塚山駅。【撮影:草町義和】

公告によると、業務内容は「本市(大阪市)で計画中の連続立体交差事業(JR片町線・東西線、南海高野線)について調査検討等を行うもの」。質問締切日時は7月4日17時で、入札書は7月14日9時~15日17時に受け付ける。開札予定日時は7月20日10時30分で落札決定は7月27日の予定。履行期限は来年2023年3月31日としている。

JR西日本の学研都市線(片町線)とJR東西線が接続する京橋駅付近では、地下化により踏切3カ所を解消する連立事業が計画されている。事業費の膨張が見込まれたことや大阪市の財政難を受け、2014年12月の建設事業評価有識者会議で「事業休止」と判定。しかし2017年8月、京橋駅周辺が都市再生緊急整備地域に拡大指定されたことから連立事業の実施が再び検討されている。

学研都市線・JR東西線の京橋駅付近と地下化で解消される踏切(赤)の位置。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

南海高野線は大阪市議会が2019年9月、帝塚山~浅香山で高架化事業の実現を求める陳情書を全会一致で採択した。大阪市によると、帝塚山駅付近から我孫子前駅付近の踏切19カ所のうち3カ所は「自動車ボトルネック踏切」。1日当たりの踏切自動車交通遮断量(自動車交通量×踏切遮断時間)が5万台時を超え、朝夕の通勤時間帯には渋滞が発生しているという。

南海高野線の帝塚山~浅香山では高架化を求める声が上がっている。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

大阪市は南海高野線の高架化について、阪急淡路駅付近など現在実施中の連立事業の進捗を見極めつつ、現状把握と課題整理に取り組んでいくとしている。

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