近鉄橿原線の八木西口駅「廃止せず」医大新駅と併存へ 運賃改定の公聴会後に回答



近鉄は橿原線・八木西口~畝傍御陵前の新駅整備の条件として挙げていた八木西口駅(奈良県橿原市)の廃止について、一転して新駅整備後も存続させる方針を固めた。7月19日、奈良県に文書で回答した。

八木西口駅と新駅の位置。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

新駅の候補地は近鉄橿原線と国道165・166号の交差部付近。近くには奈良県立医科大学付属病院がある。大学キャンパスの移転とそれに伴う病院施設の再整備が計画されたことから新駅の整備構想が浮上。近鉄は新駅整備の条件として八木西口駅の廃止を提案し、調整が難航していた。

荒井知事は7月20日の定例記者会見で「(近鉄は)廃止して新駅設置か、存置なら新駅を諦めるかという強硬な態度だったけど、今回、態度を変更して併設でもいいというのは、驚くべき変化だ」と話した。

新駅との併存が決まった八木西口駅。【あっか/photolibrary】

近鉄は利用者の減少などを受け運賃の改定を4月に申請。現在は国土交通大臣の運輸審議会で審議が進められている。申請通り認可された場合、来年2023年4月1日に平均17%の値上げが実施される予定だ。

これに対し奈良県は「サービス水準の向上や地域に必要な投資が行われないまま、運賃増による負担だけを求めるのであれば、県民からの理解は得られない」として反発。運輸審議会は奈良県の要求を受け7月14日に法定公聴会を開催し、近鉄の都司尚社長と荒井知事から意見を聴取した。

近鉄はこれを受けて7月19日、新駅と八木西口駅の併存を含むサービス水準向上や地域投資について、奈良県に対し文書で回答。荒井知事は「(文書の内容は)公述で申し上げた項目をおおむねカバーしている」と評価した。

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