小田急9000形「引退後初」見学・撮影会も 千代田線直通45周年「MSE」ツアー



小田急電鉄と東京メトロは8月27日、「小田急線・千代田線相互直通45周年記念ツアー」を実施する。特急ロマンスカー60000形電車「MSE」に乗って小田急線と千代田線を移動するほか、車両基地での撮影会などに参加できるプランも用意する。

小田急線~千代田線直通45周年記念ツアーで使われる60000形「MSE」。【画像:小田急電鉄】

小田急多摩線の唐木田駅で「MSE」に乗車。唐木田駅は2018年まで運行されていた千代田線直通の列車種別の一つ「多摩急行」の起点だった。小田急線の複々線区間や千代田線の地下区間を走り、「MSE」の通常の運行区間である北千住駅から地上へ抜けて荒川を渡って綾瀬駅を目指す。折り返しは小田急車両の検査を行う喜多見電車基地を経由して海老名駅へ向かう。

プランは「ライトコース」「がっつりコース」「プレミアムコース」の3種類。ライトコースは「MSE」乗車のほか、小学生を対象にした喜多見電車基地内での車掌アナウンス体験や乗務員室での運転台見学を実施する。がっつりコースは海老名電車基地での「MSE」撮影会を追加。プレミアムコースは「MSE」撮影会と9000形の見学・撮影会が追加される。

各プランの募集人数と旅行代金は、ライトコース(122人)が中学生以上1万800円・小学生8800円、がっつりコース(90人)が1万2800円、プレミアムコース(28人)が1万4800円。がっつりコースとプレミアムコースは中学生以上のみ参加できる。8月4日12時30分から小田急トラベルのウェブサイトで先着順で受け付ける。

営団地下鉄(現在の東京メトロ)の千代田線は45年前の1978年、綾瀬~代々木上原の区間が全通。同時に小田急線の相互直通運転が始まった。小田急は直通用の通勤車両として9000形を導入。当時の地下鉄の火災対策基準に対応したほか、運転台の窓を天井近くまで拡大するなど当時としては独特なデザインが特徴だった。

千代田線直通用の小田急9000形。【画像:小田急電鉄・東京メトロ】

後継車両の導入で1990年に千代田線への直通運用を終了。その後は小田急線内で運用されていたが、2006年までに全車引退した。現在は先頭車1両(デハ9001)のみ海老名電車基地で保存されている。

小田急電鉄と東京メトロによると、9000形の見学・撮影イベントは2006年の引退以降初めて。車内は引退当時のままといい、プレミアムコースでは「まるでタイムスリップしたかのような雰囲気の中、同車にまつわる2種のヘッドマークの車内展示や、さよなら運転で使用したヘッドマークを掲出した車両の撮影を堪能いただけます」とアピールしている。

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