首都圏~秋田「ラウンド輸送」JR貨物など正式運用で合意 行きは原料、帰りは段ボール



日本製紙・DOWAエコシステム・JR貨物の3社は2月15日、首都圏エリア~秋田県で3月から「ラウンド輸送」を開始することで合意したと発表した。3社は2021年11月からラウンド輸送の実証実験を行っているが、輸送のめどがついたとして正式に運用開始することを決めた。

ラウンド輸送で使われるDOWAの20フィートコンテナ。【画像:日本製紙・DOWAエコシステム・JR貨物】

DOWAが所有するコンテナで最も大きい20フィートコンテナを使用。往路は秋田県内にあるDOWAグループ工場向けのリサイクル原料などを載せ、東京貨物ターミナル駅から大館駅(秋田県大館市)まで貨物列車で運ぶ。復路は日本製紙の秋田工場で生産された段ボール原紙を、秋田貨物駅から越谷貨物ターミナル駅(埼玉県越谷市)まで貨物列車で輸送する。

ラウンド輸送のスキーム。【画像:日本製紙・DOWAエコシステム・JR貨物】
コンテナへの段ボール製品の積み込み。【画像:日本製紙・DOWAエコシステム・JR貨物】

ラウンド輸送はコンテナに積み込んだ貨物を目的地でおろしたあと、別の貨物を積み込んで出発地に戻る輸送のこと。コンテナを空の状態で運ぶ距離が減り、輸送コストや二酸化炭素(CO2)排出量の減少につながるなどの利点がある。

3社によると、日本製紙は秋田工場で段ボール原紙を生産しているが、製品の高さの制約で従来はコンテナの利用が難しく、首都圏エリアへの出荷がほぼトラック輸送となっていた。DOWAの20フィートコンテナは側面上部のウイング部を開けることで最大220cmほどの背の高い製品を積むことが可能なことから、製品輸送の一部を鉄道輸送に切り替えることで輸送手段の複線化と効率化を実現するという。

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