国土交通省は1月5日、2022年度(第64回)「交通文化賞」の受賞者を発表した。中央大学研究開発機構教授の秋山哲夫さんと音楽館社長の向谷実さん、元国鉄職員・元JR東日本社員の椎橋章夫さんの3人。受賞式は1月11日、国土交通省の大臣応接室で行われる。
秋山さんはおもに高齢者・障害者に対応した交通システムとユニバーサルデザインの研究者。国土交通省は有識者の立場から政策立案の中心的役割を担うなど、バリアフリー化の推進に寄与したとしている。
椎橋さんは1976年に国鉄入社。JR東日本で交通系ICカード「Suica」の開発に携わり、IT・Suica事業本部の副本部長などを務めた。国土交通省はICカード乗車券システムの開発と導入を実現するとともにクレジットカードや携帯電話との一体化を行うなど新たなサービスの創出に寄与したとしている。
向谷さんはフュージョンバンド「カシオペア」の元キーボード奏者。現在は各地の鉄道の発車メロディーやホームドア、鉄道シミュレーションゲーム「トレイン・シミュレーター」の制作・開発などを手がけており、鉄道マニアとしても知られる。国土交通省は「トレイン・シミュレーター」の開発などを通じて鉄道の魅力向上に寄与したと評価した。
交通文化賞は公的活動や学術研究、芸術活動などを通じて日本の交通文化の向上に著しく貢献したとされる者に対して国土交通大臣が表彰するもの。1953年から実施されており、今回で64回目になる。
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