複雑怪奇「JR旅客営業制度」学ぶ講座ツアー、マルス操作や手書き補充券の発行も



日本旅行とJR西日本交通サービスは12月20日、「JR旅客営業制度探求講座」と題したツアーを実施すると発表した。複雑怪奇ともいえるJRの旅客営業制度を合計4日間かけて学ぶ。

「マルス」の端末が設置された実習室。【画像:JR西日本交通サービス/日本旅行】

前期と後期に分けて実施し、どちらも京都駅近くのホテルに宿泊する1泊2日のツアー形式になる。

まず来年2023年2月11~12日に前期講座を実施。JR西日本の京滋支社で営業制度の歴史や賃率による運賃計算を学ぶほか、車掌シミュレーター体験や指定席券類の予約・発売システム「マルス」の端末操作体験、深夜の駅見学(希望者のみ、京都駅集合)、線路内作業や駅業務の実設訓練(西九条駅集合)も行う。

後期講座は3月4~5日に実施。京滋支社で乗車券類の効力や運行不能時の取り扱いを学ぶほか、「講師からの挑戦状」として旅客営業制度を深掘りした難問の学習を実施。運転シミュレーター体験や営業終了後の「みどりの窓口」見学(希望者のみ、京都駅集合)、手書き補充券の発行体験を行う。

鉄道マニアのなかでもJRの旅客営業制度に興味がある人向けにプログラムを作成。時刻表に掲載されている旅客営業制度のページをある程度理解している人を対象にした。講師は1968年に国鉄に入社し、国鉄・JR営業部門で指導歴40年の道場勝さんが務める。

参加できるのは18歳以上でJR旅客営業制度に興味がある人。募集人数は各期12人で旅行代金は前期・後期とも各6万円。前期のみの受講は可能だが後期のみの受講はできない。申込みは12月23日15時から日本旅行大阪法人営業統括部の鉄道・バス企画デスク専用の予約サイトで受け付ける。

JRの旅客営業制度は複雑怪奇。写真は羽沢横浜国大駅に設置されている運賃表だが、武蔵小杉駅より遠い場所にあるかのように描かれている鶴見駅や国道駅のほうが運賃は安い。【撮影:鉄道プレスネット】

日本旅行とJR西日本交通サービスによると、JRの旅客営業規則は複雑で内容を習得することが難しい。JR社員でも繰り返し講習を受けるとともに社内資格を取得することが求められる。今回の講座では単に営業制度を学習するだけではなく、その制度が生まれた歴史的背景や経緯などを深掘りし、丁寧に解説するという。

JR西日本交通サービスはおもに近畿エリアの駅業務を受託しているJR西日本の子会社。営業制度やマルス端末操作の教育業務なども行っている。

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