JR東日本「イオンモール新駅」千葉・盛岡で同時開業、列車の増発も



JR東日本は来年2023年3月18日のダイヤ改正にあわせ、幕張豊砂駅(千葉市)と前潟駅(盛岡市)を同時に開業する。どちらも駅の近くにイオングループの商業施設「イオンモール」がある新駅。建設費の一部をイオンモールが負担している。

京葉線に新設される幕張豊砂駅のイメージ。【画像:幕張新都心拡大地区新駅設置協議会・JR東日本】

幕張豊砂駅は京葉線・新習志野~海浜幕張に設けられる新駅。駅の北側には京葉線の車両基地(京葉車両センター)、南側には2013年にオープンしたイオンモール幕張新都心がある。隣接駅からの距離はそれぞれ約1.7km。2023年3月18日の始発電車から営業を開始する。1日の利用者数は約1万6000人の見込み。

幕張豊砂駅の位置。【画像:幕張新都心拡大地区新駅設置協議会・JR東日本】

10両編成に対応した単式ホーム2面と鉄骨平屋の駅舎を設置。バリアフリー施設として多機能トイレとエレベーターも設けられる。ホームは上下線のあいだに地上の下りホームと高架の上りホームを別々に設ける形。千葉市が整備する駅前広場は駅の開業日と同時期の使用開始を目指し関係者間で調整を進めている。

工事が進む幕張豊砂駅(2022年11月)。【画像:幕張新都心拡大地区新駅設置協議会・JR東日本】
上り線の高架ホーム(2022年11月)。【画像:幕張新都心拡大地区新駅設置協議会・JR東日本】

新駅の構想は1990年代の初頭からあった。イオンモールのオープンから4年後の2017年、千葉県・千葉市・イオンモールの3者で構成される幕張新都心拡大地区新駅設置協議会が発足し、翌2018年に協議会とJR東日本が設置協定を締結。2020年に着工した。

事業費は約115億円の見込みで半分をイオンモールが負担。残りをJR東日本・千葉県・千葉市が折半して負担する。当初は2024年度の開業を予定していたが、工事手順を見直したことで工期が短縮され、開業予定時期も1年前倒しされた。

前潟駅は田沢湖線の盛岡~大釜に設けられる新駅。隣接駅からの距離は盛岡駅から約3.4km、大釜駅から約2.6kmで、駅の南側には2003年にオープンしたイオンモール盛岡がある。2023年3月18日の始発列車から営業を開始。1日の利用者数は約1700人の見込み。

前潟駅のイメージ。【画像:JR東日本】
前潟駅に位置。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

駅員のいない無人駅で単式ホーム1面1線。ホームの長さは85mで4両編成に対応し、2両分に対応した約40mの上屋を設ける。5月27日からは交通系ICカード「Suica」が盛岡エリアに導入されるのに伴い前潟駅でもIC乗車が可能に。簡易型のIC改札機が設定される。

駅舎は待合室と階段、スロープを設置。駅前広場には駐輪場やバイク置き場、バリアフリー対応のトイレを設け、ロータリーにはタクシー待機所と身障者用乗降所、一般車降車場を設ける。

駅舎のイメージ。【画像:JR東日本】
駅待合室のイメージ。【画像:JR東日本】

2021年2月に盛岡市とJR東日本が新駅の整備協定を締結した。事業費は約11億8000万円。盛岡市がイオンモールからの寄付金(2億円)や国の補助金などを活用して全額負担する。

JR東日本は前潟駅の開業に伴い利用者の増加が見込まれるとし、田沢世線で平日朝に上り1本(雫石7時40分発→盛岡7時59分着、2両編成)増発する。

《関連記事》
田沢湖線「前潟駅」新駅整備で盛岡市とイオンモールが協定
京葉線「幕張新駅」→「幕張豊砂」駅名決定、2023年春に開業へ