東急東横線の座席指定車「Q SEAT」運行時間帯を「拡大」一方で車両は「減車」



東急電鉄は4月24日、平日の夕夜間帯に提供している東横線の有料座席指定サービス「Q SEAT」について、5月7日からサービス内容の一部を変更すると発表した。運行時間帯を拡大する一方、 Q SEAT サービスを提供する車両を減らす。

東横線の Q SEAT サービス提供車両。2024年5月7日からは5号車のみ指定席車になる。【画像:東急】

東横線の Q SEAT サービスは現在、平日の渋谷発19時35分~21時35分に運行されている元町・中華街行き急行5本で提供している。5月7日からは渋谷発18時35分・19時05分の元町・中華街行き急行2本でも提供。1日7本体制に増強し、運行時間帯を拡大する。

5050系電車の10両編成のうち4号車と5号車の2両を指定席として Q SEAT サービスを提供しているが、5月7日からは1両減車し、5号車の1両だけになる。利用方法や指定券の発売額(500円)、購入方法は現在と同じ。4号車はほかの車両と同じ指定券なしで乗車できる車両に変わり、座席配置もロングシートに変わる。ただし車両自体は交換せず、赤いラッピング装飾もそのままだ。

Q SEAT は2018年12月、大井町線~田園都市線を直通する急行(7両編成)でサービスを開始した、いわゆる「座れる通勤列車」。ロングシートとクロスシートの両方に転換できるデュアルシートを設置した車両を1両連結した。 Q SEAT サービス提供時はクロスシート配置で運用し、乗車券類のほか座席を指定した指定券を購入することで利用できるようにした。

Q SEAT サービス提供時はクロスシート配置になる。【画像:東急電鉄】

東横線では2023年8月から Q SEAT サービスの提供を開始。サービス提供車両を大井町線より1両多い2両とした。しかし同年11月から12月まで指定券の半額キャンペーンを実施したり、今年3月には東急線アプリ利用者を対象にした無料クーポンの抽選配布を行ったりするなどしており、利用状況が芳しくないことをうかがわせていた。

東急電鉄はサービス提供列車の増発とサービス提供車両の減車について「利便性向上ならびに現在の利用状況を鑑み、サービス内容を変更する」としている。

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