上瀬谷地区「新たな交通」横浜市が検討業務を公告 花博終了後を見据え整備へ



横浜市は9月29日、旧上瀬谷通信施設地区に導入する「新たな交通」について、本年度2022年度の事業スキーム検討業務委託を公募型プロポーザルで公告した。

「新たな交通」の起点地域にある相鉄本線の瀬谷駅。【撮影:草町義和】

旧上瀬谷通信施設地区は約242haの米軍施設跡地。2015年に返還され、横浜市を中心に同地区の再開発や周辺道路の整備、新たな交通の導入にむけた検討が進められている。

今回公告された新たな交通の検討業務では資金面の観点から設計・建設や維持管理、運営まで最適な事業スキームの選定に向け概略検討を行う。参加意向申出書などの提出期間は10月6日12時まで。提案書の提出締切は10月31日で、12月に結果通知書を送付する。履行期間は契約日から来年2023年3月24日まで。

横浜市は来年度2023年度も事業スキームの詳細検討業務の実施を想定している。同年度予算が横浜市議会で議決された場合、契約を別途締結する。

旧上瀬谷通信施設地区では2027年に国際園芸博覧会(花博)が開催される予定。花博終了後はテーマパークなどの整備が構想されている。これに伴い、アクセス交通機関として瀬谷駅周辺と旧上瀬谷通信施設地区を結ぶ新交通システム(AGT)「上瀬谷ライン(仮称)」を花博開催までに整備する計画だった。

花博の会場が整備される旧上瀬谷通信施設地区。【撮影:草町義和】

横浜市から事業参画を要請された横浜シーサイドラインが参画しない考えを示すなどして整備スケジュールが厳しくなったこともあり、同市の山中竹春市長は2021年12月、上瀬谷ラインの花博開催までの整備を事実上断念すると表明。花博開催時の代替輸送システムを検討する考えを明らかにしていた。

横浜市都市整備局の担当者によると、新たな交通は花博終了後を見据えた交通機関としてAGTやLRT、BRTなどさまざまな機種の導入を想定して検討するもの。花博開催までの整備は想定しおらず、開催時の代替輸送システムは別に検討しているという。

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