横浜市内の貨物線またぐ歩道橋「ひび割れ」開通前日に延期 JR東日本が設計ミス



6月1日に開通する予定だった横浜市内の貨物線をまたぐ歩道橋「高島水際線デッキ(仮称)」について、横浜市は前日の5月31日、安全性に問題があるとして使用開始を延期すると発表した。

高島線を走る貨物列車。【画像:いちななさん/写真AC】

横浜市の都市整備局によると5月30日、高島水際線デッキを設計したJR東日本コンサルタンツから「橋台にひび割れが生じており、原因を調査したところ、設計ミスにより構造上の不具合がある」と報告があった。

ひび割れは橋台の張り出し部分に生じており、現在は張り出し部の下を立入禁止にするとともに安全対策の工事を実施している。安全性が確認できるまでのあいだ、使用開始を延期することにしたという。新しい使用開始時期は明らかにしておらず、開通のめどは立っていない。

高島水際線デッキの位置。【画像:横浜市】
ひび割れが発生した橋台の張り出し部(黄色枠)。【画像:横浜市】

高島水際線は長さ130.4mで、デッキ部の有効幅は6.0m。JR東海道本線の貨物支線(高島線)などをまたぎ、みなとみらい大橋と音楽アリーナ「Kアリーナ横浜」を結ぶ。混雑緩和などを目的に計画され、6月1日から暫定的に使用を開始する予定だった。

高島水際線デッキのイメージ。下に高島線の線路がある。【画像:横浜市】

JR東日本コンサルタンツは1989年に設立。JR東日本の完全子会社で、鉄道施設のほか道路などの設計も行っている。同社は「ご利用者及び関係者の皆様には、御迷惑、御心配をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。今後は、供用開始に向けて早期の対応を行うと共に、再発防止に取り組んでまいります」とコメントした。

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