京阪本線の寝屋川・枚方「高架化」鉄道工事が本格化 起工式開催、完成いつ?



大阪府・寝屋川市・枚方市・京阪電鉄は9月11日、京阪本線の連続立体交差事業(連立事業)の起工式を開催した。これまではおもに用地買収が進められていたが、鉄道本体の工事が本格化する。

9月11日に行われた起工式。【画像:京阪電鉄】

この連立事業は寝屋川市域から枚方市域にかけ、香里園・光善寺・枚方公園の3駅を含む約5.5kmの区間を高架化する都市計画事業。2013年に都市計画決定を経て事業認可を受けた。2014年度から用地買収が始まり、2019年度からは準備工事に着手。水路などインフラ施設の移設や埋蔵文化財の調査が進められていた。2021年12月時点の用地買収率は約87%で残件数は約50件。

鉄道工事では全体を5工区に分け、仮線工法と別線工法を組み合わせて線路を高架化する。仮線工法の区間では線路をいったん移設したうえで現在の線路を撤去して高架橋を構築。別線工法の区間では新たに確保した用地に高架橋を建設する。

京阪本線連立事業の事業区間。21カ所の踏切を解消する。【画像:大阪府】
仮線工法と別線工法の工事の流れ。【画像:大阪府】

高架化が完了すると21カ所の踏切が解消される。このうち13カ所はピーク時の遮断時間が1時間あたり40分以上の「開かずの踏切」だ。京阪電鉄は「本事業により、踏切除去による交通渋滞や踏切事故の解消や、地域分断の解消により市街地の一体化を図り、地域の発展に貢献することを目指します」としている。

事業認可時点の事業施行期間は2013年12月13日~2029年3月31日(2028年度末)だった。しかし大阪府によると、近年の連立事業の実績から相当な時間がかかることが予想されるため、高架化と事業完了は2028年度以降になる見込み。仮線路への切替のめどが立った時期に改めて完成時期を公表するという。

事業スケジュールの想定。【画像:大阪府】

大阪府が今年2022年1月に示した事業スケジュールでは2026年度に完成時期を公表し、2027年度に仮線路への切替を行うとされている。

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