鉄道犯罪の罰金「30~500円」→「2万円」に 刑法にあわせ鉄道営業法も改正



侮辱罪の厳罰化や懲役刑・禁錮刑を一本化した拘禁刑の新設を盛り込んだ「刑法等の一部を改正する法律案」(改正刑法案)と関連法案が6月13日、参議院で可決、成立した。これに伴い、鉄道に関連した犯罪の罰則などを定めた鉄道営業法も改正される。

投石で割れた鉄道車両のガラス窓(イラン~トルコ間の国際列車)。【撮影:草町義和】

改正されるのは鉄道営業法の第24条から第41条のうち罰則を定めた部分。「懲役」が「拘禁刑」に改められたほか、30~500円以下の罰金は一律「2万円以下の罰金」に変更。10円以下の科料は単に「科料」と改められた。

鉄道営業法は1900年(明治33年)に公布。鉄道の設備・運送や係員の義務、旅客・公衆の罰則などを定めている。明治期の古い法律ということもあって現状から乖離(かいり)した条文もあり、とくに罰金額は鉄道車両や施設の損壊が50円以下、鉄道敷地内での発砲が30円以下などと、現在の刑罰の水準より大幅に低くなっていた。

現在は戦後の1948年に公布された罰金等臨時措置法に基づき、罰金額は2万円以下として運用。また状況によっては鉄道営業法より重い刑罰を定めた刑法を適用するなどしている。このため、改正後も実質的な変化はほとんどない。

改正刑法は公布から3年以内に施行される予定で、鉄道営業法の改正も改正刑法と同時に施行される。

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