松山市内でJR予讃線・松山駅付近の線路を高架化する工事が終盤を迎えている。一部の工区では高架橋が完成。来年度2023年度にも高架線への切替が行われる見通しになった。
工区は高松寄りから愛光・辻・南江戸・駅・千舟・竹原北・竹原南の七つに分かれている。愛媛県が6月9日までに明らかにしたところによると、愛光・辻・竹原北の3工区で高架橋が完成。軌道・電気設備の工事も始まっている。本年度2022年度は新しい駅舎の工事に着手する予定だ。
この工事は愛媛県を事業主体とする連続立体交差事業(連立事業)。予讃線の線路のうち松山駅付近の約2.4kmを高架化し、8カ所の踏切を解消する。松山駅は島式ホーム2面4線の高架駅に生まれ変わる。松山駅に併設されていた車両基地・貨物駅は2020年3月までに高架化の範囲外に移転した。
連立事業は2008年に都市計画が決定し、2009年の事業認可を経て着手した。当初は2020年度末の完成を目指していたが、用地買収が難航。2018年3月には事業施行期間の延期が認可された。現在の事業施行期間は2024年度末(2025年3月31日)までだが、線路の高架化は2023年度にも実施される見込み。
このほか、松山市が松山駅周辺の道路や駅前広場を整備する土地区画整理事業を実施中。伊予鉄道が運行する路面電車の軌道を新しい駅前広場に引き込む。さらに高架化された予讃線の線路をくぐり、松山環状線が通っている地域まで700mほど延伸することも計画されている。
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