
静岡鉄道は6月11日、同社が保有する貨車「トコ1号」を群馬県中之条町に無償譲渡すると発表した。同町が国鉄長野原線の旧・太子駅(1971年廃止)の跡地で整備を進めている公園で展示される。静岡鉄道は搬出に先立ち、トコ1と1000形電車の展示イベントと1000形の運転体験イベントを行う。
イベントは7月10・11日の計2日、長沼車庫で行われる。参加できるのは静岡県内の在住者のみ。各日9時30分~12時にトコ1号と1000形の展示イベント(各日500人が上限)が行われるほか、各日10時からと13時からの計2回、1000形の運転体験イベント(各日20人)も行われる。運転体験イベントは有料・事前申込制で、参加費は大人1万円・中学生未満5000円。申し込みは6月14日~7月8日の期間、特設ウェブページで受け付ける。
トコ1号は荷台に屋根が付いていない無がい車。静岡鉄道によると、1990年頃まで静岡清水線で砕石を運んでいたが、新しい保守用車両の導入で使われなくなり、長沼車庫で保存されてきた。このほど中之条町から譲渡の要請があり、静岡鉄道がこれに応じたという。
中之条町は同町の山間部に残る旧・太子駅の跡地を「日本一の無がい車公園」として整備。駅舎やホームなどの施設を復元し、全国各地で使われていた無がい車を集めて展示している。昨年2020年には、三井化学大牟田工場(福岡県)の専用線で使われていた無がい車やモーターカーが搬入された。
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