京成千原線の延伸計画とは 起源は小湊鉄道の千葉市乗り入れ計画(未来鉄道データベース)



京成電鉄の千原線は、千葉市の中心部と千葉県市原市を結ぶ鉄道路線。実質的には京成千葉線を延伸する形で、小湊鉄道線との連絡を図る。千葉中央~ちはら台間が開業しているが、延伸区間のちはら台~海士有木間は未開業。本格的な工事は行われておらず、開業のめどは立っていない。

■概要

未開業の延伸区間は工事施行認可を受けていないため詳細なルートは確定していないが、ちはら台駅から市原市内陸寄りの丘陵地帯を南東に進み、辰巳台や国分寺台のニュータウンを経由して海士有木に向かう。

辰巳台駅/辰巳台駅とその前後の区間は鉄道建設用のスペースが確保されている。写真は辰巳台駅の海士有木寄りから駅構内の予定地を望むように撮影。当時は駐車場として使われていた。【撮影:2011年11月27日、草町義和】

免許取得時の予測平面図によれば、終点の海士有木駅は小湊鉄道線の現在の海士有木駅ではなく、同駅から上総中野寄り約500mの地点に設置することが計画されていた。そのため、小湊鉄道線の海士有木駅も同地点に移設して連絡を図ることが考えられていたとみられる。

辰巳台には免許取得時の予測平面図と同じ場所に、鉄道を建設するための敷地が確保されている。それ以外の建設用地はほとんど確保されていないとみられる。

■経緯

京成千原線は、五井~上総中野~小湊(現在の外房線・安房鴨川駅付近)間を結ぶ小湊鉄道線を計画した小湊鉄道が、千葉市中心部への乗り入れを目指して追加で計画した新線を起源としている。

小湊鉄道は戦前の1913年11月、五井~小湊間の軽便鉄道免許(現在の鉄道事業許可に相当)を取得。この路線の計画を進める一方、1923年4月には千葉市中心部への乗り入れを目指して千葉~五井間の地方鉄道免許(現在の鉄道事業許可に相当)を申請……(→本文の続きや写真・路線図を『未来鉄道データベース』で見る)