京成本線・京成高砂~江戸川の連続立体化「着工準備」採択 踏切13カ所を解消



国土交通省は京成本線・京成高砂~江戸川間を中心とした区間で構想されている連続立体交差事業(連立事業)について、4月に新規事業として「着工準備」を採択した。

京成高砂駅の東側にある京成高砂第1号踏切。【撮影:草町義和】

この連立事業は東京都葛飾区高砂~江戸川区北小岩の範囲で京成電鉄の本線・金町線と北総鉄道北総線の線路を連続的に立体化し、13カ所の踏切を解消するもの。事業予定区間の総延長は約5.3kmで、本線・京成高砂駅付近~江戸川駅付近の約3.4kmと京成金町線の京成高砂駅付近の約1.1km、北総線・京成高砂駅付近の約0.8km。事業範囲には京成高砂駅と京成小岩駅が含まれる。

13カ所の踏切のうち、京成高砂駅の東側にある京成高砂第1号踏切と第2号踏切は、ピーク時の1時間で遮断時間が40分以上の「開かずの踏切」。自動車と歩行者の交通量が多く渋滞・滞留が発生している「ボトルネック踏切」も4カ所ある。

事業予定区間の位置(赤)。【画像:国土地理院地形図、加工:鉄道プレスネット】

国交省が3月までに公表した事業評価によると、全体事業費は概算で2640億円。費用便益比は1.3で、社会的効果が事業費を上回るとしている。同省は踏切解消による渋滞・事故解消などの効果があり、事業性が高いとして着工準備を採択した。東京都は着工準備採択を受け、鉄道線形の検討や環境影響評価、都市計画手続きを進める。

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