西武鉄道の所沢駅ビルがグランドオープン 新改札には列車を眺められる展望デッキも



西武鉄道・所沢駅(埼玉県)の東口駅ビル「グランエミオ所沢」第2期エリアが9月1日、報道関係者に公開された。あす9月2日に一部の店舗を除いてグランドオープンする。

グランエミオ所沢の第2期エリアに新設された所沢駅の南改札。【撮影:鉄道プレスネット編集部】

グランエミオ所沢は2018年に第1期エリアがオープン。今回、南側の線路上に回り込むような形で第2期エリアの整備が完了した。同エリアには、従来の中央改札から独立した南改札も新設された。増築部分の敷地面積は約6万6000平方mで、第1期と第2期をあわせた事業費は268億円。

改札外で中央改札と南改札をつなぐ南北通路や、第2期エリアを貫く東西自由通路、2階改札階と3階商業施設階をつなぐ吹き抜け空間などを整備。西武鉄道はこれにより、ホームや改札内コンコースの混雑緩和と乗り換え利便性の向上、所沢駅全体の回遊性の向上を図るとしている。

所沢駅の西口。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
従来からある中央改札(左)とグランエミオ所沢の第2期エリア(右)。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
中央改札と南改札を改札外でつなぐ南北通路。休憩スペースも設けられている。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
第2期エリアの東西自由通路。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
2階改札階と3階商業施設階を貫く吹き抜け空間。【撮影:鉄道プレスネット編集部】

第2期エリアには48店舗が出店し、第1期エリアを含めた店舗数は126店舗になる。西武ライオンズが初めてプロデュースするレストラン(後日オープン予定)や、西武線沿線では初となる店舗が多数出店。3階には屋上庭園「とこにわ」も設けられ、リニューアル前に展示されていたレール・枕木と車止めのモニュメントが改めて設置された。

第2期エリアの店舗。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
西武ライオンズがプロデュースしたレストランは後日オープンの予定。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
3階の屋上庭園「とこにわ」。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
「とこにわ」にはリニューアル前に設置されていた鉄道モニュメントが改めて設置された。【撮影:鉄道プレスネット編集部】

南改札内コンコースには、屋外デッキや待合スペース「とことこひろば」などが設けられた。屋外デッキは所沢駅南側の線路上にあり、新宿線や池袋線を走る列車を眺めることができる。「とことこひろば」は、子連れ客に対応した施設。おむつ替えコーナーや授乳室、パウダールームなどがある。駅名標や柱などはクロをベースにしたデザイン。白をベースにした中央改札のデザインとは対照的になっているのが特徴だ。

南改札内のコンコース。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
南改札内コンコースから1番線ホームに下りる部分。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
南改札内コンコースから4・5番線ホームに下りる部分。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
ホームから見た南改札内コンコースにつながる階段。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
展望デッキからは所沢駅に出入りする列車が見える。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
子連れ客に対応した「とことこひろば」。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
「とことこひろば」の室内。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
南改札内の多目的トイレ。【撮影:鉄道プレスネット編集部】

所沢駅は1895年に開業。現在は西武池袋線と西武新宿線が交差する要衝として発展している。所沢市の統計によると、1990年代から2000年代前半にかけては、1日平均の乗降人員が9万人前後の横ばいで推移していた。2000年代後半からは増加基調となり、2017~2019年度は3年連続で10万人以上を達成している。

西武グループは所沢を「今後、ますます発展が見込まれる」エリアと位置づけ、所沢市内にあるドーム球場「西武ドーム(メットライフドーム)」の改修や西武園ゆうえんちのリニューアルなどを進めていく方針だ。所沢駅付近でも、同駅南西寄りにあった西武所沢車両工場(2000年閉鎖)の跡地を活用した大規模開発が計画されている。