JR東日本と福島県は5月18日、水害で一部区間が運休中の只見線(福島県・新潟県)について、10月1日に全線の運転を再開すると発表した。11年ぶりに同線の全線で列車が走る。
運休中の区間は福島県内の会津川口~只見間27.6km。復旧工事は第5~7只見川橋梁の橋脚・桁架設・軌道工事がすべて完了した。JR東日本と福島県は7月下旬から訓練運転を開始できるよう、引き続き復旧工事を行うとしている。
再開後の会津川口~只見間は1日3往復が運行される計画。上下の各3本とも只見線の全線を走る列車になる。具体的なダイヤなどは後日案内される。このほか、全線再開初日の10月1日に記念列車が運転される予定。只見線を利用する特別ツアーも計画され、5月19日にツアー募集の専用サイトが開設される。
只見線は会津若松~小出間135.2kmの路線。このうち福島県内の会津川口~只見間が2011年の新潟・福島豪雨で第5~7只見川橋梁が流出するなど甚大な被害が発生した。
利用者が非常に少ないことから一時は鉄道を廃止してバス転換することも考えられたが、地元の要望を受け上下分離方式で復旧することが決定。福島県が同区間の施設を保有し、JR東日本が施設を借り受けて列車を運行することになった。
復旧工事は2018年に着手。2021年11月、JR東日本が上下分離方式への移行に向け同区間の第2種鉄道事業許可を受け、同時に福島県も第3種鉄道事業の許可を受けた。
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