「秋田港クルーズ列車」5月に2年半ぶり運行 クルーズ船に乗らなくてもOKの列車も



JR東日本の秋田支社とJR東日本びゅうツーリズム&セールスは4月28日、「秋田港クルーズ列車」を5月14日に運行すると発表した。2年半ぶりに秋田~秋田港間を直通する旅客列車が走る。

過去の「秋田港クルーズ列車」。今年5月の運行では別の車両が使われる。【画像:JR東日本】

この日は秋田港にクルーズ船「ぱしふぃっくびいなす」が寄港するのにあわせ、乗船客向けのアクセス交通として秋田~秋田港間を走る。ただし秋田港の施設「セリオン」で同日開催されるイベントにあわせ、クルーズ客でなくても利用できる列車も運行する。

秋田発は9時37分・12時45分・15時00分・16時10分の4本。秋田港発は10時24分・13時23分・15時37分の3本が運行される。車両は気動車のキハ40系を改造した「クルージングトレイン」(2両編成、定員80人)を使用する。

原則として「ぱしふぃっくびいなす」乗船客のみ利用できるが、秋田9時37分発と秋田港15時37分発の2本は、「秋田港クルーズ列車乗車とセリオンまつり」と題した旅行商品を購入した人のみ利用でき、クルーズ船に乗らなくても乗車できる。

旅行商品は秋田9時37分発の秋田港行きに乗る「Aコース」と、秋田港15時37分発の秋田行きに乗る「Bコース」の2種類で、旅行代金は各コース大人1000円・子供900円。募集人数は各80人。申込みはJR東日本びゅうツーリズム&セールスのウェブサイト「日本の旅、鉄道の旅」などで5月4日まで受け付ける。

「秋田港クルーズ列車」は奥羽本線の秋田~土崎間と奥羽本線貨物支線の土崎~秋田港間を走行。貨物支線はJR貨物が線路が保有して貨物列車を運行しており、旅客列車は通常運行されていない。

秋田~秋田港間のルート。土崎~秋田港間は貨物支線を結ぶ貨物支線(赤)を走る【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】
秋田港に寄港するクルーズ船「ぱしふぃっくびいなす」。【撮影:草町義和】

2017年からクルーズ客向けの旅客列車の臨時運行が行われていたが、2020年以降はコロナ禍の影響でクルーズ船が寄港しておらず、クルーズ客向けの旅客列車の運行も中止に。クルーズ客以外の旅客列車も、2020年10月に運行された団体列車を最後に途絶えている。今回の運行が計画通りに実施されれば、秋田港駅を発着する旅客列車は2年半ぶり。クルーズ客専用の旅客列車が運行されるのは3年ぶりになる。

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