鉄道車両ブルーリボン賞は西武鉄道001系「ラビュー」 JR四国2700系がローレル賞に



鉄道趣味団体「鉄道友の会」は6月5日、西武鉄道の001系特急型電車「Laview(ラビュー)」を2020年のブルーリボン賞に選定したと発表した。ローレル賞にはJR四国の2700系特急型気動車が選ばれた。

西武鉄道の001系「ラビュー」。【撮影:未来鉄道データベース運営部(K)】

西武鉄道の001系は10000系電車「New Red Arrow(NRA・ニューレッドアロー)」以来25年ぶりに導入された新型特急車両。独特な球面デザインの先頭部と、半光沢メタリックシルバーのカラーリング、天地方向に広い大型窓を採用しているのが特徴だ。

友の会は「現代の鉄道車両として完成度が極めて高く、魅力あふれる車両にまとめられている」と評価し、001系をブルーリボン賞に選定した。

ローレル賞に選ばれたJR四国の2700系は、登場以来30年が経過した世界初の振子式特急型気動車2000系の置き換えを目的に開発された特急型気動車。2700系の前に開発された2600系特急型気動車は車体傾斜装置を採用したが、土讃線では空気ばねの制御に使う空気容量の確保に課題があることが判明したことから量産化が中止され、2000系や8000系特急型電車で実績のある制御付き自然振子システムを採用した。

友の会は「優れた技術を継承するとともに現在の特急車両としての技術や設備を備えた完成度の高い車両」と評価した。

JR四国の2700系。【画像:JR四国】

鉄道車両におけるブルーリボン賞とローレル賞は、友の会が毎年1回、前年中に営業運転に就いた新型車、もしくは新型車と見なせる改造車の中から選んでいる賞。通常は毎年5月下旬までに発表されるが、今年2020年は新型コロナウイルスの影響で選考作業が遅れていた。

ブルーリボン賞は会員の投票結果に基づいて選考委員会が審議し、最優秀と認めた車両を選定。ローレル賞も会員の投票を参考に、選考委員会が優秀と認めた車両を選んでいる。今回の候補車両は16形式だった。