東京メトロは4月25日、「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した料金設定とバリアフリー化の整備計画を国土交通省の関東運輸局に届け出た。来年2023年3月頃、実質的に運賃を値上げする。
届出の概要によると、ICカード・紙の切符ともに「鉄道駅バリアフリー料金」を一律10円加算して実質値上げする。初乗り(1~6km)の場合、現在はICカード168円・切符170円だが、料金設定後はICカード178円・切符180円に。子供は加算後の運賃の半額になる。
定期券は現在の定期運賃の平均割引率により設定。通勤定期券は1カ月用に370円を加算し、3カ月用は1050円か1060円、6カ月用は1990円か2000円を加算する。通学定期券は加算しない。
鉄道駅バリアフリー料金制度は2021年12月、鉄道事業法施行規則と軌道法施行規則の改正により創設された。この料金で得た収入はホームドアやエレベーターの整備などに使われる。運賃の上限額と異なり国土交通大臣の認可を受ける必要がなく、届出だけで料金額を設定できる。JR東日本も同制度を活用したバリアフリー料金を2023年3月に導入し、東京電車区間の運賃を実質10円値上げする方針だ。
東京メトロによると、ホームドアは2021年度末時点で全180駅中83.3%が整備済み。大規模改良工事を実施中の一部の線路を除き、2025年度末までに全駅にホームドアを設置する計画だ。エレベーターなどにより段差を解消するルートは、2029年度までに全駅で最低一つは確保するという。
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